12球団で最も遅く契約更改を終えた佐々木は会見でこう口にしたが、更改が遅れた最大の理由は、既報の通り米メジャーリーグへの移籍を強く訴えていることだ。さる1月22日、ロッテの高坂俊介球団社長は契約状況について「個々の選手の件は差し控えさせていただきます」と厳戒モードでコメントなしという有様だった。さらに27日の会見前にも松本尚樹球団本部長が「ごねたとか、ワガママとかではない」と火消しに奔走。球団内が揺れに揺れたことが露わになった。

「我々運動メディアからしてみれば日程調整がつかずに契約更改を延期しているのではなく、メジャーリーグ移籍時期を巡り球団と折り合いがつかずにもめているという認識でしたね。すでに昨年12月に契約更改を越年したタイミングで不穏な空気が流れていましたよ。そして1月半ばになっても目処がつかず、25日発売の『週刊文春』(文藝春秋)、『週刊新潮』(新潮社)はともに佐々木の記事を掲載しました」(スポーツ紙野球デスク)

 球界内では文春で衝撃的な内容が掲載されたことで話題もちきりだ。

「朗希がすでに選手会を脱退していたという記載があったからです。メジャーリーグ帰りのベテランがそのまま属さないのはよく聞きますが、高卒若手選手が脱退なんて、今まで聞いたことがない。選手会に属すのは任意のため、選手が脱退したいと申し出ればそれを止めることはできない。ただFA権取得の短縮、ポスティング移籍など選手会が率先して球団側と交渉したから実現した制度やルールも多い。そんな中、選手会に属さずにそれらの制度を活用するというのであれば、選手、ひいては選手会からも不満の声が挙がっても不思議ではない」(球界OB)