井ノ原快彦、国分太一、菊池風磨……共通するのは“ジュリニ”の3人
こうした動きを素直に歓迎する向きもあるが、一方でジャニーズ側による戦略的なアピールではと訝しむ声も少なくない。井ノ原、国分、菊池の3人に共通するのは、藤島ジュリー景子社長と近しく、事務所内で重用されていることだ。井ノ原はジャニーズアイランド社長という要職にあり、国分も幹部クラスの扱いになっているとされ、昨年末の年越しコンサート『ジャニーズカウントダウン2022→2023』では井ノ原と国分がコンビで司会を務めた。ここのところ俳優として猛プッシュされている菊池は、「ジャニーズ成人式」が今年1月に17年ぶりに復活した際の発案者とされており、井ノ原、国分と共に後見人的な立場で式に出席。こうしたことからも、菊池は事務所の「幹部候補生」だろうと業界内ではみられている。
なにより、「週刊文春」が4月に報じたところによれば、創業者ジャニー喜多川氏の性加害問題をめぐる事務所内の対応として所属タレント向けの相談窓口が準備されたが、ジュリー社長“お気に入り”のタレント6名の名前が窓口担当として並び、そのうちの3人が井ノ原、国分、菊池だった。ジャニーズ事務所がかなり信頼を置いている人物なのは間違いない。
そうした彼ら3人が不用意にタブーを破るはずもなく、積極的に退所者の名前を出しているのには裏があるとの見方があるのだ。当然、一番考えられるのは「退所者をメディアから排除するようなことはしていない」というアピールだ。
現在、ジャニーズ事務所は創業者の性加害問題の渦中にあるが、数十年にわたって見過ごされてきた背景には、ジャニーズ事務所のメディアコントロールがあると指摘されている。ジャニーズ事務所が、人気タレントの出演などを盾に、事務所にとって不都合な報道をさせないようにしてきたとされ、退所者や競合グループがメディアに出られないように圧力をかけているとの疑惑もある。実際、SMAPの元メンバーなど、退所した途端にテレビ露出が激減してしまったケースは枚挙にいとまがなく、特定の番組に他事務所の男性グループが出演できない状況も長らく指摘されている。w-inds.の橘慶太は、詳細こそ伏せたものの、デビュー20周年を迎えた2021年のインタビューで、2004年頃から「日本のメディアに出られなくなった」ためにアジア進出せざるを得なかったと話していたこともある。