2位以下のチームを見ると、巨人の岡本和真はHRがダントツで、打点が2位(14日終了時点)、打率が4位なので、HRと打点の2冠を取れば有力候補。後は大穴ですが、セーブ王争いでトップに立つライデル・マルティネス(中日)は防御率0.39と驚異的な数字を残しており、MVPは厳しくても、もう少し話題になっても良いとは思います」(週刊誌スポーツ担当記者)

 MVPは記者投票で決まるルール。昨年の村上宗隆(ヤクルト)のように、優勝チームの4番バッターが三冠王を取れば、誰に投票するか1秒も悩む必要はないが、今年は頭を抱えることになりそうだ。また、歴史を紐解くと、記者投票というのはなかなか曲者だ。

「MVPを選ぶ時、毎年のように話題になるのが、優勝に貢献した選手を選ぶのか、卓越した個人記録を残した選手を選ぶのかという問題です。例えば1999年、上原浩治(巨人)は新人で20勝4敗という驚異的な成績を残しましたが、MVPに選ばれたのは19勝7敗の野口茂樹(中日)。上原は防御率でも野口を上回り、沢村賞、ベストナイン、ゴールデングラブ賞などを取りましたが、優勝チームが中日だったので、MVPには野口が選ばれました。

 一方、2008年には岩隈久志(楽天)が21勝を上げ、チームは5位ながらMVPを獲得。2013年にシーズン60本塁打のプロ野球記録を作ったウラディミール・バレンティン(ヤクルト)は、最下位ながらMVPを獲得しており、最も権威あるタイトルなのに、評価基準にブレが感じられます。