「17年の『M-1』で、彼らのネタについて審査員の上沼恵美子が『叩いて笑いが来ない。あのド突きは要るんやろか』『これ(ド突き)なしでツッコんでも笑いは来ます』と講評していました。一回りして新しく見えていたはずの武器ですが、見ている側も耐性ができてしまい、腹を抱えるほどの笑いなのか、逡巡し始めたとも言えます。ちなみに、昨年末までの彼らの『M-1』参戦の歴史は、不参加(2018)、準決勝敗退(2019)、不参加(2020)、準々決勝敗退(2021)、準々決勝敗退(2022)と低迷が続いています」(同)
最近のカミナリは、フジテレビやテレビ東京といった民放キー局での露出もいまだにあるが、大半はBSテレ東、TOKYO MX、中京テレビ、とちぎテレビなどに集中している。
「キー局への食い込みが今一つ伸び悩んでいる背景として、単純に旬が過ぎたことも当然ありますが、昨今のコンプライアンス事情が絡んでいることも考えなければいけません。近年は『痛みを伴う笑い』について、放送倫理・番組向上機構(BPO)の青少年委員会が警鐘を鳴らしています。ただし、それを鵜呑みにして出演オファーを控えるというよりも、むしろ、どの場面もド突きありきの笑いが求められる“ワンパターン化”したカミナリの起用について、ロケの撮れ高として疑問を持ち始めたという事情もあり得ます。彼らは茨城なまりも特徴ですが、いわゆる“方言キャラ芸人”は『マツコ&有吉 かりそめ天国』(テレビ朝日系)でも活躍しているU字工事もいます。その意味で、カミナリの優位性が失われてしまったのではないでしょうか」(同)