しかし、その一方で疑問の声も少なからず上がっている。最大の焦点である「どうやって水原氏は大谷の口座に勝手にアクセスし、本人に知られないように約7億円もの大金を送金することができたのか」という疑問への言及がなかったためだ。

 この件について、スポーツ専門メディア「ESPN」は「大谷は水原氏がギャンブルの借金を支払うためにどうやって自分のお金を盗んだのかについては、何も詳細を明かさなかった」と報道。米ヤフースポーツは「『大谷が水原を助けた』から『水原が大谷から盗んだ』というストーリーの変化は無視できない。また、大谷が自分の銀行口座から総額400万ドル以上の送金があったことを『知らなかった』という説明は受け入れがたい」と論じた。

 水原氏が大谷の口座管理をサポートするなどして、IDやパスワードなどを知っていた可能性はある。しかし、億単位のお金が動いでも本人に一切通知がないというのはセキュリティ的に考えづらく、それが最大の謎となっている。

 ただ、この謎に言及しなかったことに理解を示す意見もある。26日放送のフジテレビ系『めざまし8』では、国際弁護士の村尾卓哉氏が「犯罪の手口に関わる部分なので、捜査当局の捜査に委ねたいということで、特定を避けたのだろうと推察します」と分析。捜査への影響などを考慮し、あえて言及しなかったのだろうという考えを示した。