二葉は「Mプロジェクト」成功のために邪魔者を殺し、空港を建設してきたのだ。心底悪い奴である。人質にいた二葉は「その通り、私が山猫」と自身の正体を認める。武蔵の兄・健一も道路建設談合をネタに北見(手塚とおる)をゆすろうとしていたようだ。家族が悪人だらけで武蔵がかわいそうだ。
真相を暴いた大河は人質もろとも爆破ですべてを葬ろうとするが、武蔵との格闘戦の末、悠月の銃弾を受けて倒れてしまう。「獣」のメンバーは全員逮捕、人質も無事だった。二葉は「武蔵の養育費のためだった」と告白し自ら命を断とうとするが、説得によってそれも断念する。これにてMプロジェクトも新空港占拠も終わったのだった。
武蔵と裕子にまた平和な日々が訪れる。しかし最後の最後、拘置所の被告人が逃走したとの警察無線が入った。そして『大病院占拠』で首謀者だった青鬼(菊池風磨)が何者かに「ありがとうございました。助けていただいて」と電話で感謝を告げるのだった……。
ラストで菊池風磨がまた何かを起こすフラグを立てたうえでの終了。一部では「映画化」の情報もあっただけにこれも一つの布石なのだろうか。ドラマ全体としては、大がかりな占拠を行う割に、「獣」の集団の復讐理由がかなり個人的なものばかりで、空港占拠まで行く理由としては弱い点が気になった。だが、一つ一つの恨みの集積が時に大きな出来事に発展するというのは現実世界でも起こり得ることだ。