老後においてもお金に困らない人は一定数います。今回は、銀行員としてさまざまな人の」、お金との付き合い方をみてきた筆者が、「老後に富裕層デビューした人」が、特に50代から始めていた、3つのことを紹介します。「老後はゆとりをもって暮らしたい」という人はぜひ取り入れてみてくださいね。

「お金の知識」を学んでいた

しっかりと「お金の知識」を学んでいた人は、老後でもそれほどお金に苦労しない印象があります。

以前、実父の介護経験があるとある俳優さんが「介護保険の存在を知らず、介護費用を捻出するために家族がマンションを売却した」とインタビューで答えていました。

一見、お金に困ることはなさそうな芸能人であっても、知識がないと何かと苦労するのかもしれません。

裏を返せば、お金の知識があれば何かと得することはあるはずです。たとえば、高額療養費制度や医療費控除、ふるさと納税による寄附金控除を使えば、上手に節約することができます。しかし、知らなければ何をどうすれば良いかもわかりません。まずは興味が持てるトピックからで良いので、本や雑誌、Web記事を読んで勉強しましょう。

先取り貯蓄で資産形成を行っていた

若いうちから先取り貯蓄による資産形成を行ってきたことも「老後富裕層デビュー組」の特徴として挙げられます。

先取り貯蓄とは簡単にいうと「収入から一定額を取り分けて貯金し、残りの部分で生活費をやりくりすること」です。より確実に、そして、ストレスなく貯められるのでぜひチャレンジしてみましょう。今、貯金がまったくないという人は、まずは半年分の生活費を貯めることを目標にしてください。

また、ある程度貯金があるならNISAやiDeCoなどで、金融商品を運用して増やすことを考えても良いでしょう。たとえば、毎月1万円を20年間積み立て、年3%の利回りで運用した場合、最終積立金額は約328万円になります。預貯金として持っておくよりはるかに効率的に増やせるので、チャレンジする価値はありそうです。

効率的な資産形成方法1 「NISA」

NISAとは少額投資非課税制度のことで、一定の条件下で専用口座を通じて金融商品を購入した場合、運用益や売却益に税金が課されない制度です。つまり、手元に残る利益が大きくなるため、効率的に資産を増やせます。

なお、2024年から新しい制度がスタートし、年間投資枠および非課税保有限度額が大幅にアップしました。毎月1,000円程度からでも積み立て投資ができるので、できる範囲で取り組んでみましょう。

効率的な資産形成方法2 「iDeCo」

iDeCoとは個人型確定拠出年金のことです。

毎月一定額の掛金を拠出し、金融商品の運用などで増やしていきます。掛金と運用益を60歳以降に年金として受け取る仕組みです。なお、毎月いくらまで掛金として拠出できるかは、国民年金の加入資格によって異なります。

子どもや孫に出すお金を「聖域」にしていない