かつて花栽培が盛んだった香川県三豊市にある志々島。春になると住民のおばあちゃんが育てるお花が咲き誇る素敵な景色を楽しめます。瀬戸内海を見下ろす天空の花畑に行ってみませんか?

天空の花畑とは?

香川県三豊市にある志々島は、周囲4kmの瀬戸内海の小さな島です。かつては人口が1,000人程でしたが今ではたった17人だそうです。そんな志々島には「天空の花畑」と呼ばれる素敵な花畑があります。

かつて花の島と呼ばれるほど花栽培が盛んだった志々島で、最後の花農家であった孝子さんというおばあさんが、昔のような花いっぱいの島を復活させたいとの思いで、週末に手伝いに来てくれる息子さん夫婦と荒れた山や畑を整備しています。

花畑を再び蘇らせるために種をまき、丁寧に手入れをし、花々の美しさを引き出すための努力を惜しまず日々手入れをしています。遮るものなく一面に咲き誇る鮮やかな花々は、見る者の心を癒し、自然の美しさに触れる機会を提供してくれます。また、花畑の眼下に広がる瀬戸内海の絶景のパノラマ。その壮大な景色と広がりを通じて訪れる人々を喜ばせてくれています。

春になるとシバザクラ、ネモフィラ、キンセンカと言った花々が一斉に花を咲かせます。徐々に株を増やし、ベンチやブランコ、幸せの鐘なども整備しました。2020年夏に水不足でシバザクラが全滅してしまったそうですが、もう一回だけやってみようと、一度折れかけた心を立て直し、手間暇をかけて見事に咲き誇っています。

マーガレット
雨上がりのキンセンカの花

天空の花畑を見に来てくれる観光客も増え、ゆっくり滞在してもらうためのトイレの設置や水のくみ上げができる水道・電気の引き込みを目的としたクラウドファンディングも実施し、多くの支援のおかげで花畑を維持し続けています。

ネモフィラ

その風景と花々の香りに包まれながら、訪れる人々は穏やかな時間を過ごすことができます。自然散策や写真撮影など様々な楽しみ方がありますし、季節によって異なる花々の咲く時期や見頃の情報を確認しておきましょう。

【花の見頃】 ※その年の気候によって時期がズレに可能性があります
ナデシコ(4月下旬~6月下旬)芝桜(3月下旬~4月下旬)キンセンカ(4月上旬~5月上旬)あじさい(5月下旬~6月中旬)

志々島のシンボル大楠も見よう!

島の山の中腹に鎮座する樹齢1200年の楠の木は志々島のシンボルでもあります。県の天然記念物に指定されており、伸びた太い幹が神秘的でパワースポットとして注目を浴びています。7月中旬になると楠の木の根元付近にウバユリが咲き誇るなんとも神秘的な姿が見れるそうです。

港から坂道を約20分上ったところにあり道中にはあちこちに看板が設置されていますが、予想以上に急な坂道が続くので、必ず歩きやすい靴行きましょう。ちなみに2004年に公開された映画『機関車先生』のワンシーンにも登場しています。

他にも横尾の辻や楠の倉展望台などの島の絶景ポイントや、世界でいちばん小さなおうちとたとえられるすだれを垂らしたカラフルな小屋の埋め墓など、他ではあまり見かけられないものもあるのが志々島の魅力です。ちなみに志々島のようにカラフルな埋め墓は珍しいそうですよ。