こんにちは、ライターの渡辺彩季です。 この連載では「多様な女性の働き方」をテーマに私とゲストで対談をさせていただきます。 今回のゲストはプレスラボの池田園子さん。2020年に代表取締役に就任されたばかりですが、どのような背景があったのでしょうか?ライター駆け出し時代からコロナ禍の現状まで、たくさんのお話しを伺いました。

目次

● 今回のゲスト 池田園子さん
● インタビューする人 渡辺彩季
● ウーマンダイアローグ#46 【プレスラボ/池田園子さん】
● 未経験でフリーライターを始めました
● 代表取締役になって“よかったこと”と“大変だったこと
● 打ち合わせをオンラインに切り替えたことで効率がアップしました
● 個人としても会社としてもやりがいを感じています
● 会社のメンバーのブランディングを強化したい
● インタビューを終えて…

今回のゲスト 池田園子さん

池田園子(いけだそのこ)
プレスラボ代表取締役。編集者。
2009年楽天入社。
2012年ライターとして独立。
2016年から4年『DRESS』の編集長を務める。
2020年2月代表交代に伴い現職。
相撲とプロレスが好きでコンテンツ制作に携わることも。

インタビューする人 渡辺彩季

渡辺彩季(わたなべさき)
京都府出身、東京在住のフリーライター。
女性をターゲットにしたメディアを中心に美容、ファッション、ライフスタイルなどの幅広い記事を執筆中。
美容が大好きで、コスメコンシェルジュ、全米ヨガアライアンス、アロマテラピー検定1級、温泉ソムリエなどの資格を取得。

ウーマンダイアローグ#46 【プレスラボ/池田園子さん】

渡辺: 早速ですが、現在の池田さんのお仕事について教えてください。

池田: 私は、プレスラボという編集プロダクションで代表取締役をしています。経営業務のほか、WEBコンテンツの制作を中心に問い合わせの対応、見積の作成、枠組み作りなどをしています。また、どれくらいの記事の本数を受注するか、メンバーの中で誰にどの仕事を割り振るかを考えています。品質管理にも携わっています。

渡辺: 会社のホームページを拝見させていただいたのですが、プレスラボは東京だけでなくいろんな地方のライターが所属されていますよね。

池田: そうなんですよ。主要都市にライターがいます。私がプレスラボの代表に就任したのは2020年2月ですが、12年前からある会社を引き継いだ形になります。なので、前社長が12年前から築いてきた人脈が今も残っていて、以前から所属しているライターが多いです。

渡辺: 東京にしかライターを抱えていない場合だと、必然的に地方での取材は出張になってしまいますよね。今年はコロナウイルスの感染リスクを考えると、都内からの移動はいつも以上にハードルが高くなっているので、いろんな地方にライターがいるというのはかなり強みになりますね。

池田: 緊急事態宣言が発令された後、4月から5月にかけては取材の延期が多かったのですが、最近徐々に対面の取材も再開してきました。Zoomを使ったオンラインの取材も少しずつ増えてきましたが、やはり対面の取材を希望される場合もあるので、各地方のライターが活躍してくれていて、本当にありがたいです。

未経験でフリーライターを始めました

渡辺: 池田さんは現在編集の仕事をされていらっしゃいますが、執筆に関しての勉強はどのようにされたのでしょうか? 誰でも最初は初心者なので、どのようにステップアップをされたのか……とても気になります!

池田: 私の場合は独学でした。最初はITの会社に就職したので、当時からWEBの記事を通して情報収集をしていたんですよ。なので、これまでにたくさんの文章を読んできたというのは大きいです。その経験が活かされていると思います。

渡辺: やはり、日常的に文章に触れることが大事なのですね。毎日少しずつの習慣でも、長年の積み重ねが執筆や編集の仕事に役立ちますものね!

池田: あと、駆け出しの頃に丁寧に教えてくださった編集者がいて! その方に鍛えられました。一般的にフリーで仕事をもらう立場の人は、その時点である程度文章を書けなくてはいけないのですが、私はほぼ未経験でライターの世界に飛び込んだんです。当時は文章を書くことに不慣れだったのですが、その編集者が自分の書いた記事に赤ペンを入れてくださり、たくさんの知識を学ぶことができました。

渡辺: 私も過去に編集部の記事のチェックをしていたことがありますが、赤ペンを入れるのも時間がかかりますし、実際とても大変だと思います。編集者の愛を感じますね。

池田: そうですね。赤ペンを入れるのに、おそらく一時間はかかっていたと思うんですよ。本来、私の指導をする立場じゃない方だったのに、細かく丁寧に教えてくださったのは本当にありがたかったです。

渡辺: 記事の量産ももちろん大切ですが、新人の育成に力を入れることは長期的に考えるといい投資になると思います。実際に池田さんは今でもWEBコンテンツの作成に携わられているので、その編集者さんの行動は正解だったのではないでしょうか。

執筆以外の武器を持っているライターは強い

渡辺: ライターの仕事はリモートでもできますし、提出期限さえ守れば自分の好きな時間に執筆ができるので、最近は特に人気が高まっているように思います。副業としても注目されていますが、志望者数が増えるなか、今後はどのようなライターが重宝されると思いますか?

池田: 執筆以外に+αの強みを持っているライターですね。私は2012年にフリーライターとしての活動を始めて、2014年から編集を始めました。ライティング1本で働くことを辞めた理由としては、経済とスキルの面で「これだけだと厳しい」と感じたからです。私は自分の文章が飛び抜けて上手いと思ってはいませんし、執筆以外の武器を身に付けないといけないと。そのタイミングで、ちょうど編集の仕事依頼がきたので挑戦してみることにしました。

渡辺: たしかにライターは人気の職業なので、最近は執筆ができるだけでは難しくなってきたように思えます。もちろん文章も大事ですが、インタビュー、写真撮影、企画、営業、被写体など、他のスキルも兼ね備えていることで依頼側は仕事を振りやすくなりますよね。私も、文章に加えて写真を納品することもあり、物撮りやレタッチが条件になることもありました。また美容系の媒体では、コスメコンシェルジュの資格を取得していることも強みになっているようです。

池田: 専門的な記事を依頼する時に、資格を持っているライターの存在は大きいですね。

渡辺: 情報への信頼感が増しますし、有識者が記事を執筆することによって文章に深みを出すことができますね。

池田: 良質なコンテンツを作るためには、ライター個々のキャラクターを活かすことが大切です。編集者としては、記事のトーンに合わせて適任のライターに依頼することを心掛けています。一概に記事といってもジャンルも様々ですし、文章からも熱量が伝わるので、知識や興味を持っているライターをアサインするようにしています。

代表取締役になって“よかったこと”と“大変だったこと”

渡辺: 2020年2月にプレスラボの代表取締役に就任されましたが、よかったことや大変だったことを教えてください。

池田: 大変なことは、予想外だったコロナウイルスの騒動です。私がプレスラボの代表に就任したのが2月。ちょうど日本でコロナのニュースが増えてきたタイミングだったんですよ。いろんな業界に影響が出ていますが、ここで会社の売り上げが下がってしまったら「社長が変わったからだ」と思われてしまうんじゃないかなと。

渡辺: コロナの影響で、世界的にも経済のダメージが大きいタイミングですよね。「池田さんが代表になったから」と考える人は少ないと思いますが、どちらにしても売り上げが落ちてしまうことは会社にとって良くない状況なので、プレッシャーが大きかったと思います。

池田: そうですね。ただ、よかったことは、代表取締役という予想外のチャンスが回ってきたことです。自分はずっと個人事業主として仕事を続けると思っていたので、前社長が声を掛けてくださらなかったら、自分が会社の代表になるなんて思いもしていませんでした。たまたまおこぼれをもらったのですが、みんながなかなかできない体験なので、嬉しいです。

渡辺: やりたいと思っていても、自分で会社を興すというのはなかなかできることではないですよね。1からサービスを作ることも楽しそうではありますが、メディアやライターがたくさん溢れかえっているなかで始めるのは絶対に難しい……前社長が基盤を作ってくださっていたというのは、大きいのではないでしょうか。

池田: そうですね。まだまだ就任して日が浅いですが「この経験を大切にしよう」と仕事に取り組んでいます。

打ち合わせをオンラインに切り替えたことで効率がアップしました

渡辺: コロナ禍での働き方について教えていただければと思います。以前と比較して、どのような変化がありましたか?

池田: まず、外出の機会が減り、オンラインでの打ち合わせに切り替わりました。新規の問い合わせをいただいた場合、以前は受注できるかどうかが分からない状況でも、ひとまず直接会って話をしていたのですが、現在はコロナの感染対策としてオンラインで済ませるようになりました。元々は密や対面を避けるという目的でオンラインでのやり取りに変えたのですが、受注に繋がらなかった場合は売り上げが出ないので、オンライン化によって効率が良くなったと思います。コストや時間の無駄を省くきっかけにもなったので、ありがたいですね。

渡辺: 人に会うのは、コストも時間もかかりますものね。対面は対面でもちろんいい部分もありますが、コロナの騒動をきっかけにリモートの良さに気付いたこともたくさんあります。コロナ収束後も、引き続きオンラインでの打ち合わせを取り入れる企業が多そうですね。その浮いた時間や経費を違うことに回せば、さらなる成長を図ることができそう!

池田: 実際に仕事の効率が上がったことで、今まで手が行き届いていなかったタスクができるようになりました。4月に未経験の新入社員が2人入ってきたのですが、時間をかけて教育することができたのでよかったです。

渡辺: 社長から直々にしっかり時間をかけて仕事を教えてもらえるなんて! なかなかないですよね。コロナの騒動でバタバタして採用できなくなってしまったり、新人の教育まで手が回らない企業もあるなかで、とてもありがたいことだと思います。

個人としても会社としてもやりがいを感じています

渡辺: 池田さんが仕事でやりがいを感じる瞬間を教えてください。

池田: ありがちな答えになってしまいますが、感謝された時ですね。例えば以前、過去にインタビューをした格闘家の方から連絡が入り「本を出すことになったから池田さんに担当してもらいたい」と指名で連絡をいただくことがありました。自分の書いた文章が気に入ってもらえたみたいで、嬉しかったですね。

渡辺: 本を出版されるくらい有名な格闘家の方なら、インタビューを受けてきた経験もたくさんあるでしょうし、そのなかで池田さんが特に印象的に残っていたということですものね。

池田: あとは、自分の会社のメンバーが評価された時です。名指しで褒めてもらえた時は、自分も嬉しい気持ちになります。「いい案件を取ってこれた」「上手くマッチングができた」と役に立てている実感が湧きます。

渡辺: 社長や経営者という肩書きを聞くと“大変そう”というイメージがありますし、実際に苦労も多いと思いますが、その分やりがいを大きく感じることができそうで羨ましいです。

会社のメンバーのブランディングを強化したい

渡辺: 池田さんの今後の目標を教えてください。

池田: 会社からスターを出したい。一人ひとり得意なことが違っていて、それぞれに魅力があるものの、控えめなタイプが多いので、私が上手に魅力をアピールしていきたいです。ゆくゆくは個人に指名で依頼がくるくらいにできたらいいなと考えています。

渡辺: ライターと言っても経験や表現は十人十色ですし、ハマるジャンルがありますものね。世の中にライターがたくさんいるなかで指名を取っていくには、ブランディングも重要になるのですね。

池田: 現状、いただいた執筆依頼を親和性の高いメンバーに任せているのですが、100%ウキウキして仕事をしていないという可能性もあります。メンバーの得意な分野を伸ばして、指名で仕事が来るようになれば、もっとやりたいことができると思うので理想的です。そのような環境を作れるように努めます!

インタビューを終えて…

プレスラボの池田園子さんと対談をさせていただきました。未経験からフリーでライター、そして編集者へ。キャリアを積んだ池田さんのお話は、ライターを目指している方にとっても参考になるのではないでしょうか。

未経験者でも情熱と努力さえあれば、どんどん執筆スキルを上げることができますし、実際に池田さんは、執筆の仕事を始めた4年後には『DRESS』の編集長に就任されています。「ライターの仕事に興味があるけど、自分にできるかな」と悩んでいる方は、まずはアクションを起こしてみてはいかがでしょうか?

チャンスは鳥のようなものだ。飛び去らないうちに捕らえよ。

ドイツの詩人 シラーの名言です。

せっかく自分にチャンスが回ってきても、準備ができていなかったら棒に振ることになってしまいます。池田さんもおっしゃられていたように、“みんなができる経験”はひとつもないのに、見送りが重なってしまうのはもったいないですよね。「挑戦してみたい」という気持ちがあるのなら、チャンスが来た時に受け入れられるようにスキルと精神面に余裕を持つことが大切です。そのために自分は毎日どう動いたらいいのか。私もあらためて考えようと思います。

2020年はコロナウイルスの影響で環境の変化が激しいですが、そのなかでも「経営者として会社を伸ばしていきたい」という池田さんの熱い気持ちが伝わってきました。今後のご活躍をお祈りしています。

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