ここで気になるのが医療費負担の問題でしょう。結論から言うと、現行の健康保険証からマイナ保険証に切り替わっても自己負担割合は変わりません。公的医療制度そのものが変わるわけではないからです。

また、診療報酬の加算(医療情報・システム基盤整備体制充実加算)については、マイナ保険証を使う時には初診6円ですが、使わない場合では12円です。少額ではあるものの、マイナ保険証を使った方が得といえます。

マイナ保険証であれば上限金額以上は請求されないし、確定申告もかんたん!

従来の健康保険証の場合、高額療養費制度を利用する場合は一度上限を超えた医療費も立て替えるか、事前に限度額適用認定証を利用して、病院などでの請求額を限度額までに抑えてもらわなくてはいけません。しかし、マイナ保険証であれば、医療費が高額になっても高額療養費制度の上限以上は請求されません。

また、マイナポータルを活用することで、1年間の医療費に関する情報を取得できます。医療費控除をする場合、確定申告手続きも簡単になる点もメリットです。

マイナ保険証は便利!

マイナポイントが贈呈されるキャンペーンが行われたこともあり、マイナ保険証の設定をした人は大幅に増えました。しかし、実際に使っている人は少ないのではないでしょうか?マイナ保険証を使えば、高額療養費制度を使う場合も医療費の立て替えが必要なかったり、医療費控除の確定申告書類を作る手間が省けたりメリットがあります。

政府は従来の健康保険証を廃止する予定です。現状は従来の健康保険証も使えますが、将来を見越し、早めに利用を始めるのも一つでしょう。

文・勝目麻希(ファイナンシャル・プランナー) 新卒で総合職としてメガバンクに入行し、法人融資・金融商品販売等を担当。転職・結婚・出産を経て一時は専業主婦になったが、自分の金融知識や実務経験を活かしたいと独学でライターの道へ。現在はファイナンシャルプランナーの知識を活かして金融系メディアを中心に執筆。