「『金曜ロードショー』(日本テレビ系)で放送されるたびに、映画公開時にはまったく問題視されていなかったシーンがツッコミ祭りとなっています。『耳をすませば』(1995年)のハイライトである主人公・月島雫を乗せて天沢聖司が坂道を駆け上がる“自転車二人乗り”シーンは、『違法』だとアウト判定。また、図書館の貸出カードの履歴からお互いの名前を意識していく場面も、個人情報の観点から問題視されている。『となりのトトロ』(88年)もお父さんとメイとサツキの“3人乗り”や、引っ越し時に明らかに車の積載量を超えた荷物だったのが、道路交通法違反との指摘を受けています」
極めつけは、パワハラおよびモラハラの疑いがかかっている『千と千尋の神隠し』(2001年)に登場する湯婆婆のこのセリフ。
「見るからにグズで! 甘ったれで! 泣き虫で! 頭の悪い小娘に、仕事なんかあるもんかね! お断りだね。これ以上穀潰しを増やしてどうしようっていうんだい!それとも……一番つらーーいきつーーい仕事を死ぬまでやらせてやろうかぁ」
『不適切にも~』が浮き彫りにした過剰なコンプラによって、名作が地上波から消えてしまうのも時代の流れなのだろうか……。