2024年1月から新しいNISA制度がスタートします。現行制度ではつみたてNISAと一般NISAに分かれていましたが、新制度では一本化されます。
では、一本化したらどうなるのでしょうか。
■新NISAの一本化とは?
2024年1月から始まる新NISAにはつみたて投資枠と成長投資枠があります。
「一本化」と言われるのは、2024年1月以降は新NISAの口座を開設すれば、つみたて投資枠と成長投資枠どちらも併用できるようになるためです。
現行のNISAは大きくつみたてNISAと一般NISAの2つに分かれており、両者は同時に口座を開設できませんでした。
■一本化のメリット3つ
制度の一本化には、以下のようなメリットがあります。
●メリット1:非課税期間の無期限化・制度の恒久化により長期的な資産形成ができる
現行制度では、一般NISAは5年、つみたてNISAは20年の非課税期間が設定されています。また、制度そのものに期限があり、「いつか終わる可能性のある制度」でした。
新制度では、非課税期間がなくなり制度が恒久化されます。生涯非課税限度額1,800万円の範囲内で、非課税期間や制度の期限を気にすることなく、腰を据えて長期的な資産形成に取り組めます。
●メリット2:ロールオーバーが不要になる
現行制度には非課税期間が設定されています。非課税期間終了後、NISA口座で保有していた商品は、翌年の非課税投資枠に移して保有でき、そのための手続きを「ロールオーバー」とよんでいます。
新制度では非課税期間がなくなるため、ロールオーバーが不要になります。
●メリット3:再投資ができる生涯非課税限度額
新制度では生涯非課税保有限度額という考え方が導入されています。生涯1,800万円まで非課税で運用できますが、投資商品を売却すると翌年に枠が復活します。
たとえば、500万円分の投資商品を購入すると、生涯非課税保有限度額の残り枠は1,300万円ですが、簿価ベースで500万円分の保有資産を売却すると枠は翌年に1,800万円に戻ります。
なお、生涯非課税限度額は購入した時点での額を基準に考えます。
■一本化のデメリット
一本化のデメリットとしては、商品の選択や組み合わせに迷う可能性がある点です。
さまざまな投資商品について、投資家自身が勉強して金融リテラシーを高める必要があります。