シドニーやメルボルンでの価格下落が顕著

オーストラリアでは住宅価格の下落基調が続いており、米不動産調査大手コアロジック社が発表した4月の豪住宅価格指数は、前月比で0.1%低下した。低下は2017年10月以来7か月連続だ。しかしここでも下げをけん引しているのは都市部で、地方だけを見るとまだ上昇傾向が続いている。都市部の下げは特にシドニーやメルボルンなどで顕著に見られ、4月は共に前月比0.4%の低下となった。

シドニーなどでの価格下落の背景には、政府による規制の強化がある。中国などからの海外資金や投機資金の流入により、シドニーの住宅価格は5年前に比べて7割ほども上昇したとされる。一般の家計には手の届かない水準となり、ついに政府は昨年、銀行に対してローン審査の厳格化を要請した。

その他、空き室のままになっている住宅の外国人オーナーに課税したり、外国人へのキャピタルゲイン課税を強化したりするなどの対策を進めた結果、外国人の買いが急激に減少したとされる。

世界的に住宅価格の下げは連鎖するのか?

英国、米国、オーストラリアなどの都市部で高級物件の価格が下がっている背景は、それぞれ異なる。ただ共通点もあって、それは金利が上昇傾向にあるということだ。英米はすでに利上げを進めており、2016年8月以来金利を据え置いているオーストラリアでも、次の利上げを視野にすでに銀行間の調達金利は上昇を始めている。

こうした動きに関連して、国際通貨基金(IMF)が4月に非常に興味深い分析を発表している。主要40か国と主要44都市を通じ、住宅価格がシンクロして動く傾向が強まっているというのだ。

その背景として、世界的な低金利の中、グローバルに動く投資家の資金が世界各地の不動産市場にも流入していることを指摘している。特に利回りや安全性が魅力的な都市部において、そうした傾向が強いという。

IMFの分析が正しいとすれば、今後「世界的な低金利」という環境が変わっていけば、これまで多くの国で住宅価格が上昇してきたのとは逆に、世界的にシンクロして価格は下落するリスクがあるということだ。香港や東京などではまだ価格下落は見られていないようだが、注意しておくべきなのかもしれない。

文・北垣愛(ファイナンシャルプランニング1級技能士)

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