入居率 ゼロだと収入はゼロに

入居者がいなければ賃貸料はゼロとなり、アパート経営は成り立たない。入居者が物件を決めるのに大切な要素として、そのアパートの立地と物件の魅力、それに入居者を募集する広告力がある。投資用アパートを探す時には入居者の立場になって、物件の立地や間取り・築年数などをチェックしなければならない。

なかでも立地は最も重要で、日本全体としては人口減少が続いていますが、例えば発展が続いている東京23区内で駅まで徒歩10分以内の様な物件は多くの入居者希望者がチェックするはずなので、入居リスクが少なく入居率はぐんと高くなる。

維持管理費用 現地チェックで正確に見積もろう

最後にアパートの状態によっては、維持管理費用がかさむ場合があるので注意が必要だ。例えば築年数が経過したアパートだと雨漏りや水漏れ、亀裂・腐食・カビなど色々な不具合が発生する可能性があるため、重要事項説明書に記載されている事項は細かくチェックすることが必要だ。しかし書面だけでは状態が分からないこともあるので、真剣に購入を考える物件であれば、その物件を現地で細かくチェックすることは必須となる。

重要事項説明書などの書面に記載されていない不具合がある場合は、売り主に連絡し対応を求めることになるが、記載され説明を受けていればその不具合も含めた契約とみなされるので注意しなければならない。物件の状態によっては、補修費用を多めに見込んで収支計画を立てることも必要となる。

また物件の構造によっても維持管理費用は変わってくるので、留意しておきたい。建物の構造には、木造・鉄骨造・RC造(鉄筋コンクリート造)・SRC造(鉄筋鉄骨コンクリート造)などがあるが、一般に木造は修理などの維持管理費はRC造・SRC造などに比べて安い。なお法定耐用年数は木造が22年、RC造・SRC造は47年なので、賃貸後にアパートの転売を考えている場合は、木造の方が築年数の観点では価格が下がりやすいので注意が必要だ。

その他、考慮すべきポイント

投資用アパートを選ぶ際には、これまで説明した3つの重要なポイント以外にも注意すべき事項がいくつかある。例えば、家賃相場の変動やアパートの売却価格の変動、物件の環境や災害などは、物件探しの際に考えておくべきなので順に説明する。

まず家賃は変動する可能性があり、周辺の家賃相場が下がった場合や、物件の経年劣化や老朽化によっても家賃が下落する恐れがある。周辺の家賃相場は主に物件の立地に依存し、経年劣化や老朽化は主に築年数に依存するので、物件の立地や築年数は家賃下落を防ぐ上でも重要であることを認識してほしい。

次にアパートの売却を考えている場合、アパートの売却価格は変動するので、アパート価格が上昇すれば良いが、価格が下落する場合には売却により損失が発生する。一定期間賃貸した後にアパートの売却を考えている場合には、周辺アパートの価格相場の状況を調べて売却価格をある程度予測しておくことも必要で、これも物件の立地が重要になる。

また購入したアパートの環境も、入居者が集まらない原因となる場合がある。例えば高速道路やカラオケ・遊技場などの騒音、ゴミ捨て場や排水路の悪臭などの生活環境や、アパートの近くにマンションが建設されてしまい日照問題が起こるなどだ。このような状況では入居率は上がらないため、アパートを購入する前に物件を見て周辺の状況をチェックし、さらに近隣の開発計画を調べておくことは重要だ。

また近隣の住民も広い意味で環境問題となる。例えば近隣住民が夜中に出す大音量の音楽や、逆に過度に音に敏感で音に関してすぐクレームを出す場合などだが、このような場合には、賃貸管理会社経由で穏やかな話し合いにより解決することが大原則となる。このような近隣住民との間の音に関するトラブルで警察に相談しても、すぐに解決する見込みは低い。

アパート経営ではこのようなリスクもできる限り避けたいので、対象物件の退居理由についてもチェックしておくことが賢明だ。また真剣に購入を検討している物件ならば売主や不動産業者だけでなく、可能な限り現地に行って物件周辺の環境を確認することはリスクを避ける上で賢い行動だ。

最後にアパートを含む不動産には地震などの災害リスクがあり、地震に対するリスク回避として新耐震基準が適用された1981年6月1日以降に建設されたアパートを購入するようにするべきだ。それ以前の物件だと「既存不適格」となり耐震性能が劣ることになり、耐震リフォームを行うためにはかなりの出費となってしまうので注意したい。