皆さんは色彩心理学を知っていますか? 色が持つパワーが人間の心理に作用するというもので、これは自分が作りたい印象をつくるのに役立ってくれるものです。目的に合わせた色選びで、好印象を引き寄せていきましょう。

皆さんが普段何気なく選んでいる「色」。ですが、この「色」にさまざまな心理作用があるのはご存知でしょうか?

好きな色だから。トレンドカラーだから。その色を選ぶ理由は人それぞれに違いますが、そこに色彩心理学を取り入れるだけで、自分がなりたい印象に近づくことができるようになります。目的に合わせた色の使い分けを、ぜひ参考にしてみてくださいね。

人間は「色」にものすごく左右される生き物

普段何気なく見ている色。
服や帽子など身に付けるアイテムはもちろん、企業のイメージカラーや、オフィスのデスクの色など、身近に多くの色が存在していますよね。

それらはもちろん、色彩心理学に基づいて選ばれたカラーです。

例えば、マクドナルドやすき家などの看板は、主に赤色が使われています。赤色は交感神経に働きかけ、より食事を魅力的に見せ、たくさんのご飯を食べてもらい、 1人のお客さんから多くの利益を生むという狙いがあります。

注意を引く色でもあるため、多くの企業が「赤」を使っています。

一方、洋服の青山や紳士服のアオキなどの看板は、青色をメインカラーとして使用しています。青色は清潔感や信頼感を表し、フォーマルなスーツとそれらのイメ ージがマッチするため使われているという理由があるのです。

このように企業や街の看板、その他アイテムなどにはそれぞれの思惑があり、その色を選んでいるのです。人間は色に左右されやすい生き物。理由は、人間は視覚から得る情報が大きいからです。

知覚の割合を表すと、視覚が83%、聴覚11%、嗅覚3.5%になります。視覚が大部分を占めているため、色が持つ印象に左右されやすいということ。そしてその色を使い分ける人ほど、「モテたい!」という欲望を叶えたり、ビジネスシーンでの「こう見せたい」という場で自分をうまく見せることができるのです。

モテたいならこの色!

「女性がモテる色は何色だと思う?」と質問したら多くの人は赤色・ピンク色と答えるでしょう。女性らしい色だというイメージもあり、人気のカラーです。

実際にそれは当たっていて、“モテるためには、絶対に赤色は使うべき”です。それを心理学の実験も証明してくれています。

心理学者のカイザーが、被験者の男性に「これから一人の女性と少し会話してもらう」と告げて、実験をスタートさせました。そして相手の写真を5秒間見せます。半分の男性参加者には赤いシャツを着た女性の写真を見せて、もう半分の参加者には青いシャツを着た女性の写真をそれぞれ見せました。

そのあと別会場に連れていき、男性参加者に「今からここに女性参加者が来ます。あなたは自分が座る椅子と女性が座る椅子の2つをセッティングしてください」と指示します。

その結果、赤いシャツを見せられた場合の2つの椅子の距離は150センチから160 センチの間に。一方、青いシャツを見せられた場合は180センチから190センチの間の距離で椅子を置いたのです。

つまり、赤いシャツの女性と2人で座る距離は、青いシャツの女性と2人で座る距離よりも30センチ近かったことになります。

身体の距離は、心の距離を表すと言われていて、それを「パーソナルエリア」と呼びます。自分と相手の距離が近ければ近いほど、相手に好意があったり、信頼していることがわかるのです。

赤いシャツを着ると、男性から「近くにいたい」と思わせることが出来ます。さらに、服だけでなく、赤い口紅をするだけで魅力度がアップするということもわかっています。

ゲーゲンが行った研究では、フランスのとある町にある4つのバーにサクラを送り込みました。8人のサクラの女性はそれぞれ赤かピンク、ブラウンの口紅をつけているか、または口紅をつけていませんでした。サクラをバーのカウンターに1人で座らせ、この女性が入店からどのくらいの時間で男性から声をかけられるのか? と、1時間で何人の男性に声をかけられるのか? を調査したものです。

その結果、赤い口紅のときは2.03人の男性が声をかけてきて、最初に声をかけてくる時間までに19.78分かかりました。
ブラウンのときは1.55人で、時間は24分。口紅なしは1.39人で時間は27分となりました。

もっとも声をかけられやすい、つまり“モテる口紅の色は赤色”ということがわかります。赤色は交感神経に働きかけるので男性も興奮しやすく、女性がより魅力的に見える色ということなのです。