デヴィ夫人については、昨年8月に「週刊文春」が「デヴィ夫人がモナコ慈善団体から1700万円を持ち逃げしていた」などと報道。デヴィ夫人が、代表理事を務めていたモナコの慈善団体「AMITIE SANS FRONTIERS(アミチエ・ソン・フロンティエール)」の日本支部「アミチエジャポン(略称)」の通帳(残高1788万円)や印鑑を「この口座は私が使う」として、持ち逃げしたとする金銭トラブルを伝えていた。

 記事では、デヴィ夫人が支援のために向かったウクライナへの渡航費用や物資輸送費用などを「アミチエジャポン」に負担させようとするなど「団体の私物化」を疑わせる行動もあったとし、団体の関係者は同誌にトラブルが事実である皆を証言していた。

 当時、これに対してデヴィ夫人は「持ち逃げ?するわけありません。事実無根です」と完全否定し、「今回の記事で、私の評価は著しく傷つけられましたので、その回復のため、あらゆる措置を講じてまいる所存です」と宣言。この「あらゆる措置」が今回の刑事告訴につながったようだ。

 先日、ダウンタウンの松本人志が名誉毀損の損害賠償として約5億5000万円の慰謝料などを求めて「週刊文春」を提訴したが、他の著名人らが週刊誌を訴えるケースでも民事訴訟が一般的。名誉棄損での刑事告訴は、ジャーナリストの鳥越俊太郎氏が東京都知事選に出馬した際に「週刊文春」などにスキャンダル疑惑を報じられ、同誌の編集長らを刑事告訴(のちに不起訴処分)したケースなどがあるが、タレントによる告訴はまれだ。