投資って怖い、損するかも……など、株式投資に対してハイリスクだというイメージを持つ人もいるかもしれません。そこで、株式投資の中でも勝率が高いといわれる「IPO投資」について、元証券マンでテクニカルアナリストのシンカワアツシさんにお話を伺いました。シンカワさんがおすすめするIPO投資のコツとはどのようなものなのでしょうか。

そもそも「IPO投資」とは?

「IPO投資」を簡潔に言うと、新規上場する会社の株式に投資すること。シンカワさんは、IPO投資の特徴について「一般的には、新規公開株式の上場前に抽選を申し込み、公募価格あるいは初値で買い付けし、比較的短期で値上がりを狙う投資手法です」と語ります。(以下、カッコ内はすべてシンカワさん談)

IPO投資は一般投資家の私たちもチャレンジすることができます。ただし、新規公開株式(IPO株)は発行株式数が決められているため、購入権を得るための抽選に申し込まなければいけません。このあたりが通常の株式投資との大きな違いですね。

IPO株はどうして勝率が高くなるの?

(写真=pupunkkop/Shutterstock.com)

IPOの抽選に人気が集まる理由はその勝率の高さにあります。シンカワさんによると、IPO投資のうち、約90%の銘柄は利益を得られるかもしれないとのこと!これは人気が出るのも納得ですね。

それでは、なぜそんなにも高い勝率を出せるのでしょうか。その理由について、シンカワさんは次のように説明してくれました。

「IPO株は、すでに上場している同業他社などの株価純資産倍率や株価収益率をもとに、適正と思われる水準で公募価格が決まります。

ところが、本来は適正である公募価格であっても、発行株数が少ないほど希少性が出て値段が上がりやすくなり、その会社のテーマ性など上昇要素がある株ほど強い値動きをします。そのため、上場後すぐはどのタイミングで買っても一度は利益を得るチャンスがあると思います」

つまり、IPO銘柄は注目が集まり需要が大きくなるので、公募価格から株価がつり上がりやすくなるということ。投資家はその銘柄を公募価格で買って、上場後最初についた株価の値段(初値)で売れば利益が出る可能性が高いということだそうです。

シンカワさんは「一方で、私の経験では保有期間を延ばすことで、勝率は下がっていく傾向があるように感じます」とも。IPO投資は短期決戦に向いている株といえそうです。

IPO銘柄の購入方法

シンカワさんによると、IPO投資を始めるのに必要な最低資金はだいたい20万円前後とのこと。意外にも通常の株式投資と大きな差はなく、投資初心者でも手を出しやすい金額ではないでしょうか。

IPO銘柄の購入は、次の3つのステップで進めていきます。

  1. 証券口座を作る
  2. 抽選に申し込む
  3. 抽選結果の発表後、当選していたらその銘柄を買い付ける 「IPO株の抽選は証券会社に申し込む必要があります。まずは証券口座を作りましょう。企業がIPOを発表してから上場するまでの期間は約1カ月。仮条件決定日、ブックビルディング期間、申込期間を経て上場という流れになります。

仮条件決定日: その銘柄が1株当たり最低〇〇円、最高〇〇円という価格が決まる日
ブックビルディング期間: 抽選期間
申込期間: 当選した人がその銘柄を買い付けできる期間

仮条件が決定したら、ブックビルディング期間中に証券口座へ抽選の申し込みをしましょう。そして抽選結果を待ちます。見事当選すれば、申込期間中に買い付け手続きし、晴れてIPO銘柄が手に入ります。あとは、上場日を待つばかりです。

ブックビルディング期間と申込期間は、非常に短いので気をつけてください。せっかく当選したのに、気づかないうちに申込期間が終わっていた、なんてことも少なくありません」