榊容疑者の代表作としては、高橋克典が主演した『誘拐ラプソディー』や大森南朋の主演でジョージ秋山氏の傑作コミックを実写化した『捨てがたき人々』などがあり、映画界で一定の地位を築いていた。

 しかし、2022年に「週刊文春」(文藝春秋)が、ワークショップに参加していた複数の女優らが「性的行為を強要された」「映画へのキャスティングをチラつかせ、肉体関係を迫られた」などと訴えていると報道したことで立場が一変。榊容疑者は「事実であることと、事実ではない事が含まれて書かれている」などとしつつ、「過去のことをなかった事には出来ません。それをしっかり肝に銘じ、これからの先へ猛省し悔い改めることを誓い、人を、日々を大事に生きていきたいと思っております」と謝罪した。

 その影響は榊容疑者の監督作にも及び、家庭内の性被害を描いた『蜜月』と安田顕&山田裕貴のダブル主演作『ハザードランプ』が公開中止に。さらに、俳優で文筆家の睡蓮みどりが実名で被害を告発するなど騒動は拡大した。妻でシンガー・ソングライターの和(旧芸名・橘いずみ)は子どもの親権を持って離婚し、榊容疑者は家族も仕事も失った。