◆「彼氏」「彼女」ではなく「パートナー」
栗田がSNSの炎上に怯えて八嶋を言葉狩りしていく様子は、コミカルでありながらもどこか胸がざわついて仕方なかった。実際、コンプライアンスを強く意識しなければいけないのは、テレビ関係者に限らず一般人も例外ではない。
2月10日に産経新聞が首都圏と近畿圏にある私立女子中学校・高校を対象に実施したLGBTなどセクシャルマイノリティに関するアンケート結果を発表したが、中には「『女性らしく』『男性ならでは』など性差を強調するような発言には、十分に注意することを教職員に指導している」「将来設計を考える授業で『彼氏』『彼女』という言葉を使わず、『パートナー』と表現する」といった回答が寄せられていた。
学校現場を対象にしたアンケートではあるが、恐らく一般企業でも同様の教育は徹底されているはず。「女性らしく」「彼氏」と発言すれば、ハラスメント認定される時代になり、言葉・発言の多様性は失われているようにも思う。
もちろん、こういった主張をポロっと口にすると「マイノリティの人の気持ちは無視するのか!」といったお叱りがそれこそSNSから飛んでくる。栗田のように「何がハラスメントに該当するのか」「コンプライアンスのある程度の定義」など、明確なガイドラインを求める人は多いのではないか。