メルカリ <4385> の東証マザーズ上場が発表されました。

東証一部、二部、マザーズ、ジャスダックなど言葉は知っていても実際どのような違いがあるのかを知らない人は多いのではないでしょうか。

そこで今回は、主な証券取引所と市場の違いについて見ていくことにしましょう。

東京証券取引所が運営する4つの株式市場

日本でもっとも大きい規模の証券取引所が東京証券取引所。略して「東証」と呼ばれます。東京証券取引所は、東証一部・二部、マザーズ、ジャスダックの4つの株式市場を運営しています。

東証一部

東証一部に上場するには、厳しい審査基準を満たす必要があります。日本で指折りの大企業が名を連ねているのはそのため。

難しい基準をクリアしているぶん、ファンドや投資家からの信頼を集めやすく、より多くの資金調達が可能になります。企業価値の向上は東証一部上場の大きなメリットでしょう。

また知名度・ブランド力が高まれば、商品やサービス利用者からだけでなく、社会的な信頼も獲得しやすくなります。さらには、企業情報を開示することで経営体制の健全化が図れます。企業の多くが東証一部上場を目指すというのも納得ですね。

  • 株主数:2200人以上(上場時見込み)
  • 時価総額:250億円以上(上場時見込み)
  • 取締役会設置のうえで3年以上継続的に事業継続していること
  • 流通株式(上場時見込み)
    ・流通株式数:2万単位以上
    ・流通株式数(比率):上場株券等の35%以上   【東証一部のポイント】
  • 審査基準が厳しい
  • 多くの資金調達が出来る
  • 企業価値が高まり、社会的な信頼も得やすくなる
  • 機関投資家が多い

東証二部

東証一部との大きな違いは上場基準です。

一部よりも上場基準が緩いため、まず東証二部への上場を果たし、基準を満たした時点で一部に昇格することも可能です。逆に、一部上場企業が基準をクリアできなくなり、二部に降格するというケースもあります。

ちなみに、2017年8月には東芝 <6502> が東証一部から二部に降格となりました。その前年、2016年8月にはシャープ <6753> も二部に降格しています。ただし、シャープは台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業の傘下で経営再建を図り、翌2017年12月には一部への復帰を果たしました。

  • 株主数:800人以上(上場時見込み)
  • 時価総額:20億円以上(上場時見込み)
  • 取締役会設置のうえで3年以上継続的に事業継続していること
  • 流通株式(上場時見込み)
    ・流通株式数:4000単位以上
    ・流通株式時価総額:10億円以上
    ・流通株式数(比率):上場株券等の30%以上 【東証二部のポイント】
  • 一部よりは基準が緩い
  • 比較的中堅企業向け
  • 二部へ上場してから一部を目指すことも

東証マザーズ

「Market of the high-growth and emerging stocks」の頭文字をとって「Mothers(マザーズ)」と名付けられた市場。今回、メルカリが上場するのがこのマザーズ市場です。

マザーズは、将来的に東証一部への市場変更を視野に入れた、成長企業向けの市場という特徴を持っていて、上場申請時には高い成長性が求められます。2000年3月にマザーズに上場したサイバーエージェントは、2014年9月に東証一部に市場を変更しました。

また、マザーズは東証一部や二部よりも審査期間が短いことも特徴です。

  • 株主数:200人以上(上場時見込み)
  • 時価総額(上場時見込み):10億円以上
  • 取締役会設置のうえで1年以上継続的に事業継続していること
  • 流通株式(上場時見込み)
    ・流通株式数:2000単位以上
    ・流通株式時価総額:5億円以上
    ・流通株式数(比率):上場株券等の25%以上 【東証マザーズのポイント】
  • 比較的成長企業向け
  • マザーズへ上場してから一部や二部を目指すことも
  • 審査期間が東証一部や二部よりも短い