しかし、こうした芸能人やクリエイターらへのプレゼントに何かが仕込まれるという事案は以前からあり、2018年には動画サイトで人気の男性ダンスグループ「アナタシア」がファンから差し入れられたぬいぐるみにGPS発信機らしき機器が入っていたと発表した。2014年にも地下アイドルグループ「仮面女子」がメンバーあてにプレゼントされたぬいぐるみの中にGPS機器が仕込まれていたと報告しており、業界内では「ぬいぐるみは特に注意」という認識があるようだ。
アイドルグループ「ベイビーレイズJAPAN」の元メンバー・高見奈央は、2019年に出演したテレビ番組で「ぬいぐるみに盗聴器を仕掛けてプレゼントしてくるファンがいる」と話し、決して珍しいことではなく「アイドルあるある」だと語っていた。こうした被害はかなり昔からあったようで、ベテラン女優の裕木奈江はアイドル的な人気となっていた10代のころ、ファンからもらったプレゼントの中に盗聴器があったと明かしている。
デジタル機器の進化によって、こうした犯罪は今後さらに巧妙化していくとみられる。純粋に「推しを喜ばせたい」という思いでプレゼントを贈るファンが大半だろうが、タレントたちのプライバシーや安全を守るためにも、事務所がプレゼントの規制などの対策を取るのは仕方ない流れになっていくかもしれない。