被相続人に借金があった場合は、相続放棄の意思表示をしないと、自動的に借金をすべて引き継ぐことになります。

■【10ヶ月】相続税申告

相続税の申告と納税の期限は、相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内です。10ヶ月と聞くと意外に時間があると感じる方もいるかもしれません。

しかし相続が発生すると、遺言や相続財産、借金の有無、法定相続人を確認し、相続人の間で遺産分割協議を行ったうえで、遺産が基礎控除以上であれば相続税の申告と納税まで行います。

実際に相続を経験すると、かなり慌ただしかったと感じることが多いようです。

●10ヶ月過ぎたら?

期限までに相続税の申告と納税まで行わないと、無申告加算税と延滞税が課されます。 無申告加算税の税率は15~20%で、自主的に期限後申告をしたときは5%に軽減されます。

延滞税は、納付期限翌日から納付する日までの日数に応じて計算され、税率は原則、納付期限の翌日から2ヶ月間は年7.3%、それ以降は年14.6%です。

■手遅れになる前に手続きをしよう

相続開始を知った日の翌日から3ヶ月以内に相続放棄、10ヶ月以内に相続税の申告、納税をしなければなりません。実際に相続が発生すると検討事項も多く、期限を過ぎるとデメリットが大きいことから専門家の力も借りながら迅速に検討していくことが大切です。

文・金子賢司(ファイナンシャル・プランナー) 立教大学法学部卒業後、東証一部上場企業に入社。その後、保険業界に転身し、FPとして活動を開始。個人・法人のお金に関する相談を受けながら、北海道のテレビ番組のコメンテーターとしても活躍中。