年初、今年こそアレをアレしようと思い立つのだが長続きしたことがない。

 この歳になると何も知らないことを始めるのも億劫だ。そこで、これまで長年親しんでは来たが、表面だけをなぞっただけであまり深く考えてこなかったことを、いま一度原点に返って考えてみようと思い立ち、ジャズについての本を読み漁ろうと思いいたった。

 まず初めに、五木寛之がサンデー毎日の連載「ボケない名言」で取り上げていた『パリの空の下ジャズは流れる』(宇田川悟/晶文社)を読み始めた。

 宇田川という人はよく知らないが、私とほぼ同年代で、若い頃にフランスに留学し、当時、パリを席巻していたジャズに魅せられたそうだ。

 博覧強記とはこういう人のことをいうのである。文章もいい。新年早々いい本に巡り合った。チャーリー・パーカーを流しながら読んでいるのだが、至福の時間である。

 これに、何十回となく読んでは挫折している『カラマーゾフの兄弟』を読み通すのが今年の目標だな。