◆事例:ショッピングモールのトイレにひとりで入った男児に…

 会社員のE(30代男性)は、休日になると決まって大型ショッピングモールのトイレを訪れていた。そこでEは、ひとりでトイレに入ってくる小学校低学年の男児に自らのスマホ画面を見せ、個室に誘い込み、男児の陰部を触っていたという。

 行為は数分に及び、最後には「僕たちだけの秘密だよ」「お母さんに言うと、悲しむよね」「学校にバレたらまずいよね」と口止めをしていた。ときに男児のズボンを下ろした状態をスマホのカメラで撮影していたこともあった。

 しかしある日、トイレの個室に連れ込んだ男児が大声を出したことで加害行為が発覚、その場でEは現行犯逮捕された。さらにほかの男児への性加害や盗撮や痴漢行為が発覚し、Eは起訴され、裁判では実刑判決を受けた。現在もEは刑務所で受刑している。

 グルーミングはSNSなどのオンライン上や顔見知りによって行われるものではありません。性加害者の中には、初対面の子どもを手なずける者もいます。

 面識がない間柄でもグルーミングは行われ、「ゲームアプリで一緒に遊ぼう」と誘ったり、「背中に虫がついてるよ」「あ、服の中に入っていっちゃった」と言いながら洋服の中に手を入れる……というケースもあります。ごく短時間で加害行為を終わらせるため、かなりの「高等テクニック」といえます。