●対策1:任意後見制度を使う

認知症を発症する前、もしくは発症しても判断能力が保たれているうちに、自身で「任意後見人」を選び、代わりにしてもらいたいことを任意後見契約で決める方法です。

法定後見制度とは違い、ご家族など望む方を後見人にできるため、安心して任せられます。

●対策2:家族信託を使う

自身の財産の管・運用・処分できる権利を家族に託す方法です。認知症を発症する前にこの契約を家族と締結しておけば、万が一認知症を発症したとしても、家族が定められた目的に沿って手続きをする限りは口座が凍結されることはありません。

■今から対策を検討しよう

口座が凍結されてしまうと、成年後見制度を使わない限りは誰もお金を引き出せなくなります。病院に入院したり、老人ホームに入所したり、まとまったお金が必要でもすぐには引き出せないので要注意です。

認知症を発症する前に任意後見制度や家族信託で対策を講じておくと、安心できるのではないでしょうか。

文・荒井美亜(金融ライター/ファイナンシャル・プランナー) 立教大学大学院経済学研究科を修了(会計学修士)。税理士事務所、一般企業等の経理を経験して現在は金融マネー系ライターとして活動中。日商簿記検定1級、貸金業務取扱主任者(試験合格)