誰もが天寿をまっとうするまで元気でいられるとは限りません。2017年の内閣府の調査によると、2025年には約5人に1人が認知症になると言われています。

では、認知症を発症した人の銀行口座はどうなるのでしょうか。凍結されてしまった場合、お金は引き出せるのでしょうか。認知症になる前にできる、口座の凍結対策も紹介していきます。

■認知症は銀行にバレる?  

認知症を理由に口座が凍結されるのは、「銀行側が口座名義人の認知能力が著しく低下したことを認識したとき」です。

つまり、銀行員が「この方は認知症では?」と判断したり、「うちの家族が認知症で」と本人以外から申請があったりした場合と考えましょう。

■凍結の解除方法

一度口座が凍結されてしまうと、簡単には解除することができません。

解除するためには成年後見制度を使う必要があります。家庭裁判所で手続きを行い、選任された成年後見人が本人の財産を管理し、身上監護を行います。成年後見人には、弁護士や司法書士などの専門家が選任されることが多いです。

成年後見人は広い代理権が認められているので、銀行口座からお金を引き出せるだけでなく、認知症を患った本人が交わした契約は、日用品の購入など例外を除き、取り消すことも可能です。

■親が認知症になる前に…

一度口座が凍結されてしまうと、本人以外がお金を引き出すためには、多くの手続きが必要になります。そんな面倒な手続きを回避するために、認知症発症前にできる対策があります。