親を税法上の扶養に入れられることを知っていましたか?
親を扶養に入れると、所得税・住民税が軽減される場合があります。ただしかえって負担が増えることもあるため、実際に手続きをする前に仕組みやメリット・デメリットを十分理解しておきましょう。
■親を扶養に入れるメリット
親を扶養に入れた場合、扶養者・被扶養者どちらにもメリットが生じる場合があります。
●メリット1:扶養者の所得税・住民税が軽減される
親を扶養に入れると、扶養控除が受けられ、課税所得を減らすことができます。
所得税や住民税は課税所得に所定の税率を乗じて計算するため、課税所得が減少することで結果的に支払う税金を減らせます。
扶養控除の控除額は、扶養親族の年齢や同居の有無で異なります。
区分 | 控除額 | ||
---|---|---|---|
所得税 | 住民税 | ||
一般の控除対象扶養親族 | 38万円 | 33万円 | |
特定扶養親族 | 63万円 | 45万円 | |
老人扶養親族 (70歳以上) | 同居老親等以外の者(その他) | 48万円 | 38万円 |
同居老親等(同居している) | 58万円 | 45万円 |
たとえば、課税所得金額が300万円だった場合、所得税率10%に加えて9万7,500円が控除されるため、所得税額は300万円×10%-9万7,500円=20万2,500円です。
しかし同居の親を扶養とした場合、課税所得金額から58万円が控除されるため、所得税額は(300万円-58万円)×10%-9万7,500円=14万4,500円となります。
つまりこの場合、同居の親を扶養に入れることで、所得税だけで5万8,000円も軽減されるということです。
●メリット2:親の健康保険料の負担がなくなる
親は扶養に入ると子どもの健康保険に加入できるため、健康保険料を負担する必要がなくなります。
ただし親が75歳になると後期高齢者医療保険に加入するため、別途保険料を負担するようになります。
■親を扶養に入れるデメリット
親を扶養に入れた結果、かえって負担が増えるケースもあるため、手続きをする前にしっかり確認しましょう。