出演のきっかけは、後藤が先日放送された『全力! 脱力タイムズ』(同)に出演した際、アンケートに「ボクらの時代に……まだ早い気もするけど」と答えたこと。だが、実際にはこのアンケートは『脱力』内でのネタ振りであって、後藤に『ボクらの時代』を疑似体験させるという体裁で、ビートたけしと明石家さんま(2人ともモノマネ芸人)、変なアイドル2人、一発屋芸人4人をあてがい、困惑する後藤の姿をみんなで笑おうという企画だった。

「その放送を受け、本当に今回の鼎談が実現しました」と小林聡美は言うが、依然としてよく意味はわからない。「放送を受け」と「実現しました」の間に、理由がないのだ。

 それはそれとして、後藤というのは不思議な芸人だと感じる。『脱力』のパロディでキツめにイジリ倒されているときでも、本物の『ボクらの時代』でセンターに座っているときでも、その態度がまったく変わらない。よく言えば落ち着き払っているし、悪く言えばテンションが低い。取り乱したり、ハシャいだりという姿を見たことがない。

 思えば「お笑い第7世代」の一員としてバラエティに出ずっぱりだったころも、『四千頭身のオールナイトニッポン0』(ニッポン放送)でメンバー同士で大モメしていたときもそうだ。浮足立つことなく、声も小さい。それでも需要があり続ける理由は、時おり単発で繰り出すワードの強さと、繊細に見えて、実はイジっても大丈夫そうな妙な打たれ強さあたりだろうか。