◆俳優の仕事は「やればやるだけ難しくなる」

「春画先生」場面写真
Ⓒ2023「春画先生」製作委員会
――今年は監督作品の『ippo』で幕を明け、俳優としては『シン・仮面ライダー』『春画先生』『花腐し』と話題作に出演。2024年の大河ドラマ『光る君へ』で藤原道長を演じ、大活躍の日々ですね。

柄本佑(以下、柄本):非常にありがたいことだと思っています。あの仮面ライダーにまでさせていただいて、平安時代までさかのぼらせていただいて(笑)。なかなか壮大な幅だなと思い、ひとまずはありがたいです。作品に触れる機会をいただけていて。

 だけど、やっぱりやればやるほど「難しくなるな」という思いはずっとあって。続ければ続けるだけ、その事柄が難しくなるのは本当だなと。現場に行ってセリフを言う俳優の仕事から、どんどん離れていってしまう気分もあったりして。もっと考えなくちゃいけないとは思っています。

――離れていかないように、日々大事にしていることは何でしょうか?

柄本:自分の中で大事にしている最近のテーマで言うと、昔、石倉三郎さんから飲んでるときに言われた「やりすぎず、“逃げ道”を残しているくらいが粋だぞ」ということですね。その言葉が、ここ10年くらいのテーマではあります。