在宅介護を控えている人は「これからどのような負担が待ち受けているのだろう」と、不安や戸惑いでいっぱいなのではないでしょうか。

介護経験者に聞いた「介護で大変なこと」をランキング形式でみてみましょう。

■介護で大変なことランキングTOP5

40~50代の男女1,100名を対象におこなったアンケート結果(2021年 医療法人社団風林会 リゼクリニック調査)をもとに、介護経験者が大変だと感じていることTOP5を紹介します。

●5位:食事の介助

高齢になるとえん下機能(飲み込む機能)が低下するため、状態に応じて刻み食やペースト食を準備する必要があります。

また、食事中もうまく飲み込めているか確認するために目が離せず、要介護度が上がると食べさせてあげる必要性も出てきます。

食事の介助は想像以上に時間がかかるため、負担に感じる場合はデイサービスやホームヘルパーの利用を検討しましょう。

●4位:時間面

要介護度が高くなると介護に時間がかかるようになり、家事や仕事の時間を確保することが難しくなってきます。

自分の時間がとれないと心のバランスを崩してしまうおそれがあるため、介護サービスの利用を積極的に検討しましょう。

●3位:精神面

介護はいつまで続くのか見通しが立たないため、精神的ストレスも相当なものです。家族に協力者がいない場合はなおさらでしょう。

つらいときはひとりで抱え込まずに、同じ悩みを持つ友人やケアマネジャーに早めに相談することが大切です。

●2位:排せつの介助

排せつの介助は、トイレへの声掛けやポータブルトイレの使用、おむつ替えなどが含まれます。

おむつの場合は、尿量に合わせたおむつ選びがポイントになります。

臭い問題も介護の代表的な悩みのひとつですが、介護専用の消臭スプレーがあるので利用してみるとよいでしょう。

●1位:相手とのコミュニケーション

在宅介護をしている人の半数以上が、相手とのコミュニケーションを負担に感じています。とくに義理の親の場合は、言いたいことが言えずにストレスがたまることも多いでしょう。

また、認知症が進行すると意思疎通が難しくなるので、一層大変になります。難しいかもしれませんが「寄り添いつつ受け流す」ことを心がけてみてください。

■共倒れしないよう早めに相談を

介護は長期戦になるため、無理をすると共倒れしかねません。「まだ大丈夫」と思っていても、想像以上に疲弊しているものです。

便利な介護用具を活用し、協力できる人はどんどん巻き込んで、極力自分の負担を減らす努力をしてください。

余裕ができれば表情が柔らかくなり、要介護者とともに穏やかな時間を過ごせるでしょう。

文・たなべようこ(金融ライター/ファイナンシャル・プランナー) 証券会社に10年勤務。主に個人向けの資産運用アドバイスを行う。現在は金融関連資格と自身の投資経験を活かして、金融ライターとして活動中。