「ここ2~3カ月、こいつおかしいよ」と伊藤は嘆くが、確かにここのところの畠中は本音を包み隠さなくなってきているように見える。その様子が、畠中の思惑とは逆に「本音キャラ」としてのテレビでのブレークを予感させるのだ。
有吉弘行の例を出すまでもなく、バラエティはいつだって本音を求めている。特に最近は、ウエストランド・井口浩之や永野など、毒味が重宝される風潮が強くなっているように見える。だが、悪口を含んだ本音には賛否両論があることは否めない。
畠中という芸人は、基本的には良心の人である。妬みや嫉みを口にすることもないし、人の悪口も言わない。だが、決して自分を曲げないし、語気を荒げることもない。背が高くて顔つきが不気味なのもいい。
本人の思いとは裏腹に、各方面からその手のオファーが届く日も近いかもしれない。そう思わせるこの日の『ここオズ』だった。
(文=新越谷ノリヲ)