今週号を持ち出すまでもなく、毎週の話題は文春が一手に担っているといっても過言ではないだろう。

 今年も、お笑い芸人・松本人志の「性加害疑惑」で大きな話題になり、芸能界のドン面していた松本は「裁判に注力するために休養」という訳のわからない理由でテレビから消えてしまった。

 以前からいっているように、文春一強でいいはずはない。だが、他の週刊誌は文春と競おうという矜持を失い、ただただ毎週、誌面を埋めることだけにキュウキュウとしているように見える。

 もし、文春が何かで躓けば、週刊誌という媒体はなくなるのだろう。危うさを感じているのは私だけだろうか。

 毎回年明けにいっているようだが、正直、今年こそ週刊誌という媒体が生き残るのか休刊してしまうのか、正念場を迎える年だと思う。

 篠山紀信たちが活躍した雑誌「GORO」(小学館)のような時代は二度と来ないだろうが、最近、無性にあの頃が懐かしい。

 篠山紀信(享年83)は太平洋戦争開戦の前年にあたる1940年12月3日、東京市淀橋区柏木(現・東京都新宿区北新宿)で生を受けた。真言宗・圓照寺が生家で、父親は寺の住職であった。写真家の沢渡朔(84)がこう語る。

「彼は当時からすごかったよ。絶対大物になると思っていた。商業写真家として成功するんだという強い決意があったから。夜は専門学校にも通って、写真について学んでいたもんね。それで3年生になったら、学生の身分にもかかわらず、(広告制作会社の)ライトパブリシティっていう会社に就職して。写真の撮り方を覚えて、すぐに撮りたかったんだろうね」