力なく会話する私に、彼女は優しく相槌をうち、質問をして話を盛り上げようとしてくれた。

中華丼がテーブルに運ばれる。いつもはものすごく楽しみに、美味しく食べられるのに。

その時は、ストレスで押しつぶされそうになりながら、喉に突っ込んだ。いつもと違って、全然味がしなかった。

食べ終わった後、水を飲みながら、ふと彼女に「仕事が辛いです」と漏らし、少し涙をこぼした。私のせいで、大変なチームの建て直しをさせられているはずの彼女。私の事を嫌っていて当然なのに、「大丈夫、頑張ってるの知ってるから!」とティッシュを差し出しながら笑ってくれた。

意外だったし、不思議だったし、なんだか少し悔しく、そして申し訳なくもあったけど、とにかく感謝の気持ちが溢れたのを覚えている。

『PRIME』より引用
(画像=『PRIME』より引用)

そこからすぐに元気になれた…という簡単な話ではないけど、10年近い前の話を今もこれだけ鮮明に覚えているということは、そこが私のターニングポイントだったんだろうな、と思う。

その製品を一緒にブラッシュアップしていく中で、私が元気になったり、彼女が落ち込んだり、二人で病んだり、本当にいろんなことがあった。さらにそれからいろいろあって、私も彼女もその会社を辞めた。今では、ごくたまにご飯を食べに行く程度の仲だけど、一緒に戦った同士みたいな、私にとっては仕事をたくさん教えてくれた先生みたいな、そんな関係を保っている。

私がプライドを脱ぎ捨てることができるように寄り添ってくれた彼女には、今なお感謝してもしきれない。

<ライタープロフィール> みわ

30代/未婚シングルマザー/細かいことは気にしないタイプ/知らない世界を知ることが好き/何かを見に行ったり都会の街をあてもなく歩くのが好きなワーキングマザー

提供・PRIME



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