酒井はその後、セクシーチョコレートを解散したばかりのセクシー平子と「アルコ&ピース」を結成。12年の『THE MANZAI』(フジテレビ系)で爪痕を残すと、翌年には『笑っていいとも!』(同)の準レギュラーに抜擢され、ラジオ『オールナイトニッポン』(ニッポン放送)でも1部昇格を果たすなど、活躍の場を広げている。
一方、野田クリスタルは大学お笑い出身の村上に誘われる形で「マヂカルラブリー」を結成、2年目に『M-1』準決勝に進出するなど好スタートを切ったものの、その名を全国に知られるには20年の『M-1』優勝を待たなければならなかった。
最近では、マヂカルラブリーとアルコ&ピースが共演する機会も増え、そのたびに野田が「酒井は天才だった」と熱っぽく語っては失笑されるというくだりも定番になっている。
キラキラな大学お笑いのサーヤとくるま、ドロドロの地下の底で出会った酒井と野田クリ、“失恋”の舞台は違えど、極めて似た形の曲線を描いて表舞台にたどり着いてる4人。そのそれぞれの顔を思い浮かべて「天才」というレッテルを貼ってみると、やはりちょっと酒井だけ笑ってしまうのは筆者だけではないはずだが。
(文=新越谷ノリヲ)