◆魚のフランダーが痩せすぎ? 公開前から相次ぐ疑問や批判

 実写版が全米公開される直前には、海の魔女アースラをめぐり、一部の人々から強い反発を受けることに。

 1989年公開のアニメ版では、アースラは女装して歌やダンスを披露する“ドラァグ・クイーン”をモデルにして描かれていた。特に、当時ドラァグ・クイーンとして有名だった歌手で俳優のディヴァインを参考にしていたとされ、今回の実写版でもディヴァインからインスピレーションを得てキャラクターを設定したと関係者が明かしている。

 そうしたなか、批判の矛先が向かったのは、実写版でアースラのメイクアップを担当したピーター・キング。彼は、アカデミー賞の受賞経験もある大ベテランのメイクアップアーティストなのだが、それがかえって一部のドラァグ・クイーンやLGBTQコミュニティの怒りを買うことになってしまった。

 彼らは、ドラァグ・クイーンをモデルにしているアースラのメイクアップは「クィア(性的マイノリティ)のアーティストに任せるべき」と主張。「今に敏感で、未来へのビジョンを持つ新進気鋭のLGBTQ+アーティストに仕事を与えるべきだ」と非難している。

 これに対し、キングは「僕が、クィアのメイクアップアーティストのように良い仕事ができないとでも言うのか?」と反論。「自分たちの思いと違うからって人を軽蔑するのはやめてほしい」と強い不快感を示している。

 さらに映画公開に先駆けて予告編が解禁された際には、主人公アリエルの親友である魚のフランダーが話題に。

実写版『リトル・マーメイド』のフランダー
「痩せすぎ」と話題になった魚のフランダー※画像は映画・ディズニー『リトルマーメイド』の公式サイトより
 アニメ版では、黄色いボディに水色のしま模様が入り、全体的にぷっくりしていてコミカルな印象だったフランダー。ところが、実写版では、リアルな魚に近いデザインで描かれているため、違和感を覚えたファンもいた模様。SNS上では「なんかフランダーが痩せすぎなんだけど」「痩せているフランダーは見慣れない…」といったコメントも見られた。