◆満を持してリメイクされた実写版! ところが…

 1989年(日本では1991年)に公開された不朽の名作アニメ『リトル・マーメイド』の実写版としてリメイクされた本作。ディズニーの配給責任者は、米バラエティ誌にこう語っている。

「私のような年代の女性や男性に聞くと、『リトル・マーメイド』や『美女と野獣』が好きなアニメーション映画としてランクインしています。それぞれが自身の子供時代に戻る物語で、この映画は多くの人がその愛を次の世代に伝える完璧な機会なんです」

 確かに、幼い頃に映画『リトル・マーメイド』を見て、感銘を受けた人は決して少なくないだろう。それだけに、物語やキャラクターに思い入れが強い人が多いようで、主人公のアリエル役に黒人歌手のハリー・ベイリーが起用されたことに異論や不満の声が相次いだ。

 というのも、アニメ版『リトル・マーメイド』では、アリエルは白い肌に碧い眼、赤髪を持つキャラクターとして描かれていた。そのため、「長年親しまれたアリエルのキャラをいきなり変えるの?」「これは人種差別ではない。ただ、アリエルのイメージを壊さないで」などと訴える声が上がった。さらに、SNS上では「#NotMyAriel(私のアリエルじゃない)」というハッシュタグも登場、アニメ版アリエルを再現するために「白人女優を起用すべき」との意見まで飛び出した。

ハリー・ベイリー
実写版『リトル・マーメイド』でアリエルを演じるハリー・ベイリー
 これに対し、ディズニー傘下のテレビ局は「アニメのキャラクターにそっくりではないという理由で、才能に溢れたハリー・ベイリーを起用するというアイデアを過去にすることはできません」と異例の声明を発表した。