2023年公開の日本映画、初動の上位4作はすべてアニメ
第1位は、『名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)』(4月14日公開)で31億4600万円。同作の劇場版シリーズは毎回大ヒットを飛ばすが、今回は作中屈指の人気キャラクター・灰原哀をメインに据えたところ、歴代トップのスタートを切った。最終興行収入は138億3000万円で、日本国内の歴代映画興行収入ランキングで第18位につけている。
第2位はスタジオジブリ・宮崎駿監督の10年ぶりの新作『君たちはどう生きるか』(7月14日公開)で16億2600万円。公開前までストーリーや声優陣を一切明かさないという宣伝手法が話題になった。初動は2位という好調な滑り出しだったが、ストーリーが難解すぎると賛否両論を呼び、また「ネタバレ禁止」の空気が漂っていたせいか、いまいちいい口コミが広がらず。前作『風立ちぬ』(13年7月20日公開)が記録した最終興行収入120億2000万円には及ばなさそうだ。
第3位は『劇場版 SPY×FAMILY CODE: White』(12月22日公開)で12億2400万円。原作は、スパイの“黄昏”ことロイド・フォージャー、殺し屋の“いばら姫”ことヨル・ブライア(ヨル・フォージャー)、超能力者の“被検体007”ことアーニャ(後にアーニャ・フォージャー)が赤の他人同士から「仮初の家族」を築き、トラブルに見舞われながらも「家族としての普通の日常」を送るために奮闘するという内容。劇場版では、フォージャー家が初の家族旅行へ行くことから物語が描かれた。
第4位は『「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ』(2月3日公開)で11億5900万円。同作は過去のテレビアニメ「竈門炭治郎 立志編」(TOKYO MXほか)や「無限列車編」(フジテレビ系、以下同)、それに「遊郭編」9話までのダイジェストと第10話・第11話(最終回)のブローアップしたものに加え、新作「刀鍛冶の里編」の第1話を劇場で上映するという作品だった。一般的な映画とは毛色が違うものの、さすがは、劇場版「無限列車編」(22年10月16日公開)が、国内の歴代映画興行収入ランキングで第1位(404億3000万円)に輝いた超ヒットコンテンツ『鬼滅の刃』。3日間で10億円以上という好成績を叩き出した。
このようにトップ3はいずれもアニメ作品。続く5位は、山崎賢人主演の『キングダム 運命の炎』(10億5100万円)で、同作は実写作品ではトップの初動を記録したことになる。