エンタメ市場から見るメンズメイク需要と真の価値(2)韓国
一方で、中国に影響を与えたという今世界でも人気を集めている韓国アイドルのメイクはどうか。
韓国アイドルつまりK-POPの世界における男性のメイクは、本人たちのビジュアルを整えるためというより「作品としての表現力」に特化していると言えるのではないだろうか。
K-POPアイドルの活動は「コンセプトカムバック」といって、新曲ごとに曲の世界観を作って活動するのが基本だ。
新曲(アルバム)をリリースすると、2~3週間にわたりその新曲を引っ提げて、音楽番組出演やサイン会などに勤しむ。
その期間は、決まったコンセプト(フレッシュな学園コンセプト、力強く男性的なワイルドコンセプト、シックなスーツ等)の世界観そのままで活動してくれるため、ファンはその時限りの世界観にどっぷり浸かって推し活を楽しむことができるのだ。メイクはその世界観を体現するために大きな力を発揮する非常に大切なアイテムと言えるからだ。
同グループでも、新曲ごとにガラッと雰囲気やビジュアルを変える。ファンは一度きりのビジュアルを尊ぶように楽しむ。
さらに、韓国のポップカルチャーにおけるイケメン文化は、男性的価値というより、女性がビジュアルを楽しめるように演出されたものなので、今回の中国エンタメ規制のニュースを知り、韓国からの影響が100%ではないにしろ、もとの価値が違うかたちで中国に広がってしまったようで若干残念に感じた。
衣装・ヘアメイク含めて曲の世界観を徹底的に再現するK-POPの世界
ちなみにタイの場合は、「色白=お金持ち」の意識から男性美容が進んでいるのだそうで、
私はタイがとても好きなのだが、確かに色白はモテると聞いたことがあった。しかし、それが「金の象徴」として見られていた可能性があったとは…吃驚である。
男性メイクが流行するきっかけが同じであっても、その価値をどう捉えるか国によって異なるのは大変興味深い。
近年、日本でもメンズメイク市場が盛り上がりを見せている。日本はその価値をどう作っていくのか。
<ライタープロフィール> タピオカあさみ
30代/K-POPファン歴16年/歌とダンスのエンタメが大好きで月イチでK-POPの海外公演に行くことが生きがい/仕事も子育ても自分の好きなことも全部諦めずに楽しい毎日を送ることが目標のワーキングマザー
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