2021年10月11日、DCコミックスは、クラーク・ケントの息子が新スーパーマンとして活躍するシリーズの最新号で、主人公ジョン・ケントが男性記者と恋愛関係になると発表した。スーパーマンは両性愛者だったのである。

多くの人が、ここからアメコミの世界で多様性を受け入れる作品が増えている背景を軸に、全セクシャリティ肯定と脱アジアヘイト・人種差別のメッセージを受け取ることができただろう。

ダイバーシティがセクシャリティにも言及されるようになった近年において、とてもポジティブで新しい時代の風を感じる出来事となった。

エンタメ市場から見るメンズメイク需要と真の価値(1)中国

一方で、翌10月12日のニュースでは、先達て9月頃から中国が国策で進めていたエンターテインメントの規制(中国政府が芸能界に厳格な規制を発表し、アイドル育成番組や女性っぽい男性タレントも禁止の方向へ)の中に、新たに新しく男性メイクNGなどが盛り込まれたことなどが報道された。

中国の男性化粧品市場規模は、約2,836億円。(※出典:2021年中国男性化妆品市场规模及发展趋势分析(图)-中商情报网)

その背景には、韓国アイドルやサバイバルオーディション番組の人気、TikTokなどの動画配信の普及などが挙げられ、中国で「顔が美しい方が様々な機会や収入に恵まれる」といった価値観が形成されていることがあるらしい。

つまり、現在の中国男性の美意識は、経済トレンドに紐づいた「顔面偏差値」=「見た目の美しさを求める」ものだ。の証拠に、ニベア花王が行った日本・中国・アメリカ・ヨーロッパの20~59歳の男性を対象にした「ビジネスと男性スキンア」に関する調査でも、中国の男性が最も意識が高いということが示されている。(※出典:世界5か国・ビジネスと男性スキンケアに関する意識調査)