◆運休だと知らず駅に向かった…

「実は、クリスマスに2連休が取れたのは看護師になって初めてだったんです。彼はこの年の春に帯広に転勤になり、特急で約3時間かかる距離なので会えても月1回がやっと。でも、このときは3日間一緒にいられるとずっと楽しみにしていたんです」

 ちなみに前日はこの時期にしては気温が高く、札幌平野部では雪ではなく雨やみぞれ。夜半過ぎから雪に変わったそうですが大雪というわけではなかったため、この程度なら運行に支障はないだろうと安心しきっていたそうです。

札幌(旧北海道庁赤レンガ庁舎前通り)
札幌(旧北海道庁赤レンガ庁舎前通り)
 ところが、このとき北海道でも東部では記録的な大雪。なかには1日で90センチも積もった地域もありましたが、ふだんテレビをまったく見ない森崎さんはニュースをまったくチェックしていませんでした。

「看護師用の休憩室にはテレビがあるんですけど、夜勤中は担当する患者さんの容態の急変などがあり、いつも以上に忙しくてほとんど休めなかったんです。家に帰ってからもシャワーを浴びた後はすぐにベッドに潜って仮眠。2時間ほど眠り、身支度を済ませてからお昼過ぎに家を出ました」

 けれども23日、札幌から帯広やその先の釧路に向かう特急は、大雪の影響で朝から終日運休。テレビかスマホで情報をチェックしていたら出発前に気づいたのでしょうが、そのことをまったく知らなかった彼女はウキウキしながら地下鉄を乗り継いで札幌駅へ向かいます。