■8月1日~10月6日 1回戦

 2カ月にわたって行われた1回戦。今年のエントリー数は史上最多の8,540組。昨年より1,279組増えており、数年のうちに1万組を超える可能性も見えてきた。

 島田紳助とともに『M-1』を立ち上げた当時の吉本興業社員・谷良一は雑誌のインタビューで、『M-1』を開催するにあたり「漫才がカラオケみたいになればいい、自分でやってみたら、やっぱりいかにプロが上手いか、面白いかっていうのがわかるじゃないですか」と思いを語っていたが、23年たって、いよいよその言葉が現実味を帯びてきた。

 また、エントリー数の増加により、今年から前年の準々決勝進出者に1回戦シードが与えられている。

 例年通り、1回戦各日程のTOP3ネタがYouTubeで配信されたが、初日の1位はとんかつ街道。昨年、すったもんだの末に解散した赤もみじの村田大樹が組んだ新コンビで、結成わずか4カ月とは思えない完成度を見せてファンを安心させている。とんかつ街道は結局3回戦で敗退したが、来年すぐに準決勝に上がってきても不思議ではない。

 また、8月14日に出場した小学生女児コンビ・ラブリースマイリーベイビーも大きな話題を呼んだ。雑談しながらセンターマイクまで歩いてくるという09年の東京ダイナマイトを彷彿とさせるアナーキーな入場から、「日本が銃社会だったらどうする?」とか言い出して観客の心をつかみ、YouTubeでも大いにバズった。

 地下芸人の2大巨頭である虹の黄昏とモダンタイムスのユニット・老害マックスも1回戦敗退。野沢ダイブ禁止が「史上初の失格。野沢ダイブ禁止は出禁になりました」「理由は『舞台上でストロングゼロをぶちまけた』からです」とX上にポストし、存在感を示している。