シンデレラの原作とは?
「シンデレラ」の物語の中では最も知名度があるディズニー式ですが、実は「シンデレラ」はディズニーのオリジナル作品ではありません。なんと原作が存在するのです。ここからはあまり知られてはいないディズニー以外の「シンデレラ」のストーリーについてご紹介していきます。
シンデレラの原作①古代エジプトのシンデレラ「ロードピス」
まずは、最も古いシンデレラストーリーの原点と言われている古代エジプトの「ロードピス」という物語から見ていきましょう。
この物語の主人公は真っ赤な頬という意味を持つロードピスという名前の少女です。彼女は奴隷の身分でありながらも非常に美しい容姿をしていたので、雇われていた屋敷の主人からとても気に入られており、ある時ロードピスは主人からバラの装飾がついたサンダルをプレゼントされます。
主人の寵愛をもらう代わりに他の使用人達からの嫉妬を一身に集めていた彼女は、サンダルをもらったことでそれまで以上に仕事を押し付けられるようになってしまいます。
そんな中、ある日王宮で王様が盛大なお祭りを開くことになりました。周りの使用人達はロードピスに仕事を押し付け、そそくさとお祭りに出かけてしまいます。1人残されたロードピスはいつものように川で洗濯をしていましたが、間違って大事なサンダルを濡らしてしまいます。
仕方なく川辺でサンダルを干していると、何処からともなくやって来たはやぶさが、咥えて飛んでいってしまうのです。サンダルを咥えたはやぶさを見た王様は、これは天からのお告げに違いないと思い、サンダルの持ち主であるロードピスを妃に迎えるのでした。
シンデレラの原作②ペロー童話「サンドリヨン」
ペロー童話版の「シンデレラ」は一般的に「サンドリヨン」という名称で親しまれてきました。実は、このペロー版の物語がディズニー版「シンデレラ」の原点になったとも言われているのです。
その噂の通り、ペローバンン「サンドリヨン」はディズニー版「シンデレラ」とあまり構成に大きな違いはありません。ただし、ディズニー版でシンデレラを美しく変身させるフェアリーゴットマザーは登場せず、その代わりに彼女の洗礼に立ち会った教母(妖女)がその役割を果たしています。
ディズニー版よりもより宗教的な色味の強いストーリー構成と言えます。また、ラストにもわずかながら違いがあり、ペロー版の「サンドリヨン」ではシンデレラをいじめていた継母達は彼女に心からの謝罪をし、その後お城で一緒に暮らすことになっています。
シンデレラの原作③グリム童話「はいかぶり」
原作の中でも異色の光を放っていながら、世界的に最も有名なのがこのグリム童話版の「シンデレラ」ではないでしょうか。グリム童話版の「シンデレラ」はディズニー版やペロー版に比べて毒々しく、少々グロテスクなストーリーが特徴です。
「シンデレラ」の物語の象徴とも言えるフェアリーゴットマザーが登場しなかったり、ガラスの靴の他にも金の靴や銀の靴が登場したり、私たちの想像する愛と希望に満ちたプリンセスストーリーとは少し異なっているようです。