福田氏といえば、のんがエージェント契約しているコンサルティング会社「スピーディ」の社長でもある。のんは2013年のNHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』のヒロイン役(当時は能年玲奈)で大ブレイクしたが、2015年に当時所属していたバーニング系列の大手事務所「レプロエンタテインメント」との間で独立トラブルが発生。独立はできたものの、本名である「能年玲奈」名義で活動できなくなって改名を余儀なくされ、地上波のテレビ番組からも消えてしまった。

 そんな彼女の窮地を救ったのが福田氏で、圧力や忖度の及ばない映画やCM、地方自治体の仕事などをブッキングし、テレビに頼らない活躍の場を用意した。そうした鮮やかな手腕が評価され、「STARTO ENTERTAINMENT」の社長就任のオファーにつながったという経緯がある。

 福田氏は新会社において、旧ジャニーズの大きな問題点だった「圧力」「忖度」「独立したタレントを干す」といった文化をなくすことを強調している。これがそうした芸能界の悪習の影響を受けていたとみられる、のんの今後にも大きく影響しそうだ。

 過去に、福田氏は朝日新聞のインタビューで「この3年で約30件、テレビ局から(のんに)ドラマや情報番組のオファーがあった。でも、こちらが企画に納得して、いざ出演契約を結ぶことになると、テレビ局から必ず『なかったことにしてください』と電話が入るのです」と圧力の存在を示唆。さらに福田氏は、のんが2017年にLINEモバイルのCMに起用されることになった際に「『起用をやめろ』という脅しの電話も各方面にあった」と明言している。