◆なぜ伴ちゃんとゆりあの不倫は「爽やか」なのか
その後、回を追うごとにゆりあと伴ちゃんは急接近。二人がやっていることは立派な「不倫」だが、そこにはイヤらしさがなく、なんなら爽やかささえ感じられる。
この爽やかさの原因として、おそらく以下のような点が挙げられる。
・伴ちゃん(を演じている木戸大聖)の人懐っこさ
・ゆりあ(を演じている菅野美穂)の気持ちのいい言動
・ゆりあに同情と共感が集まる物語の構造
伴ちゃんは金髪+作業着というビジュアルだが、明らかに悪さをしていそうなヤンチャ小僧で終わっていない。人の心のドアを自然と開け放してしまうような、まさに「屈託のない笑顔」がゆりあの心を柔らかくする。
最初は「従業員」と「顧客」の関係性からスタートし、少しずつ「生徒」と「先生」に、そしてお互いの事情を知るにつれ、線をまたぐようになる。二人の心の動きや、不倫をしているという事実に批判がないのは、彼らの言動に誠実さが見えるからかもしれない。