新型コロナウイルス感染拡大により気軽に外出することが難しくなった今、“食”に楽しみを見出している人は多いのではないでしょうか。お取り寄せやテイクアウトに関心が集まり「コロナ禍で厳しい状況にある農家や飲食店を応援しよう」という意識もあってか、改めて“フードロス問題”への注目が高まっています。

“学校給食”がバズる

2020年3月2日から全国の小中学校に休校が要請され学校給食も取りやめになったことにより、全国の生産者や給食関連事業者は危機的状況に。これを受けて実施されたのが、株式会社食文化が運営する通販サイト「うまいもんドットコム」での未利用食材の購入を応援する「学校給食の休止にともなう食べて応援!学校給食キャンペーン」です。

農林水産省の補助により送料無料で買い物ができることだけでなく、「大人になってから給食を楽しめる」「懐かしい」とTwitter上でも話題になりました。公式発表によると、2020年3月~5月に行われたキャンペーン第1弾では累計約16万件以上の注文があったとのこと。2020年7月28日からはキャンペーン第2弾も実施されています。

わけあり商品専門の通販モールとは?

一方でInSync株式会社は2020年5月、わけあり商品専門の通販モール「Wakeari(ワケアリ)」をローンチ。あらゆる業種の販売者が自社の商品や在庫をわけあり商品として出品し、消費者は通常よりも安い価格で名品を手に入れられる「買って応援、食べて応援」をコンセプトとしたECサイトです。このサービスは「事業者が少しでも生きながらえるきっかけを作りたい」という考えから生まれました。

参加事業者の負担をできるだけ少なくするため、参加店舗の月額使用料・掲載料・売上手数料のすべてが無料になるキャンペーンも実施されています。ビジネスを通して社会貢献を実現するコンセプトは多くの注目を集めており、「Wakeari」のトップページにはメディア掲載の情報がズラリ。

株式会社コクヨロジテムでは“福利厚生×CSR活動(企業の社会的責任)”の新たな形として「Wakeari」を導入。希望する商品を選択・申請できるワクワク感があると社員たちから好評という話です。

料理動画コンテストで、フードロス解消を目指す

クックパッド株式会社による「クリエイティブ・クッキングバトル」は、これまでに競技者、審査員を含むのべ1,000人以上が参加した人気イベントです。2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で動画投稿コンテスト「クリエイティブ・クッキングバトル・オンライン“KAWA”」がオンライン開催されました。

同イベントでは、“KAWA”と大会タイトルに冠する通り、野菜や果物などの食材の“皮”を活用した3分の料理動画を募集。クックパッド株式会社によると、楽しい料理体験を通じて一人でも多くの人がフードロスを意識する“きっかけ作り”を図っているそうです。

もともとフードロス問題にそれほど感心がない人でも楽しめる企画づくりが秀逸ですね。