老後のお金について不安を抱える人は多いのではないでしょうか。特に女性は、男性よりも気を付けておきたい2大リスクが存在します。老後の暮らしをおびやかすリスクとは何なのか、どうすれば老後破産のような事態に陥らずに済むのか解説します。

女性の老後のお金、2大リスクとは?

女性が老後のお金について考えるとき、意識しておきたいのが次のような点です。

リスク1.年金が少ないかも

年金がいくらもらえるのかは、人によって違います。国の統計によれば、会社員として働いて厚生年金と国民年金に加入していた人の老齢年金の平均月額は約14万6,000円です。

ただ同統計では、65歳以上の男性が受け取っている平均年金月額は約17万円ですが、65歳以上の女性だと約11万円となっていて、1ヵ月あたり6万円も差があります。
(参照:厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

厚生年金は基本的に、現役時代の収入が多いほどもらえる年金も多くなります。女性は平均年収が男性より低いため、それが年金の差にもつながっています。さらに年金と同じく老後の家計の支えとなる退職金も、女性のほうが少ない傾向があります。

ずっと専業主婦だった人や自営業・フリーランスとして働いていた人は、国民年金しかもらえない可能性もあります。その場合、年金は多くても月6万5,000円ほどになるでしょう。独身もしくは離婚予定だと、自身の年金だけでは暮らしていけない可能性が上がるため特に要注意です。

リスク2.長生きするかも

2020年に厚生労働省が公表した簡易生命表によれば、日本では男性の平均寿命は81.64歳、女性は87.74歳となっています。平均寿命は年々延びていて、女性のほうが長生きする傾向があります。

長生きは悪いことではありません。ただ、長生きすればするほど老後生活に必要な金額は増加していきます。仮に65歳で定年退職して90歳まで25年間、月15万円で生活するなら、15万円×12ヵ月×25年=4,500万円かかる計算です。

また、一般的に長生きするほど病気のリスクは上がるため、どこかのタイミングで入院や手術が必要になったり介護状態になったりするかもしれませんし、夫に先立たれて1人暮らしになるかもしれません。そうなれば、心身だけでなく金銭的にも大きなダメージを被ってしまうことも。