キャスターが「ニノは犯人じゃない」と言い切る理由も、もしかしたら独自の取材で何か証拠をつかんでいて、それを簡単に警察には引き渡さないという駆け引きなんかもあったりして、どうなっていくんだ!? というのなら楽しみですけど、私たちはすでにここまでの7話で、このキャスターはなんの証拠も持ってなく、単なる印象論だけで「ニノは犯人じゃない」と言い切ってるいいかげんな人だということを知ってしまっている。
最後に江口洋介がニノを撃つシーンでも、え? 1話からニノ死んじゃうの!? 江口、何者なの? そこに愛はあるの? という疑問符だらけの状況なら楽しみだけど、私たちはもうすでに、何か知らんけどこの2人がナァナァな関係であることを知っていて、どうせ撃ってないし、血糊もそのシェフが持ってたケチャップだろ、そういう安易なことやるんだよな『ONE DAY』って、ということを知ってしまっている。
ここからのお話を作って、ここまでで伏線を張り巡らせるという手順そのものは間違ってないと思うけど、その伏線がことごとく「回収したら快感」ではなく、「回収したのにガッカリ」に作用している。
でも、もういいです。過去は取り戻せないし、私たちには未来がある。とりあえず、ここからラストまで、『ONE DAY』が作為じゃなく語りたかったドラマが語られるはずです。いったんすべて忘れて、今はこの素敵なクリスマスイブを楽しみましょう。ちなみに私は『M-1』見る予定です。今年は7時間ぶっ通しだって。
(文=新越谷ノリヲ)