10曲のうちには、K-POPのガールズグループ・NewJeansの「Ditto」も選ばれたが、同曲の歌詞は韓国語と英語で、日本語詞ではない楽曲が選ばれるのは異例である。

 1979年には社会現象まで巻き起こした西城秀樹の「YOUNG MAN(Y.M.C.A.)」が海外楽曲のカバーであったため審査対象から除外された。また直近では2018年に大ヒットしたDA PUMP の「U.S.A.」がこちらも外国人による楽曲のカバーのため、受賞を逃した経緯があるからだ。

「これも時代の流れなのだろう。すでに、『レコード大賞』という名前自体が古くさいが、ここ数年、CDの売り上げのみならずダウンロードやストリーミングの再生回数も対象になっている。10曲のうち、『オリコン上半期ランキング2023』のCD売り上げ、デジタルダウンロード数と配信再生数を合わせた『合算シングルランキング』でトップ10入りしているのは『Ditto』のみ。トップ10入りしていた大賞獲得経験のある乃木坂46の『人は夢を二度見る』、乃木坂をしのぐ人気ぶりの日向坂46の『One choice』は選考から漏れた。さらに、大賞候補と目されていたYOASOBIの『アイドル』は同ランキングで4位だったが、『特別国際賞』の受賞にとどまった」(レコード会社関係者)

 レコ大といえば、1980年代は真剣勝負で賞レースが行われ、受賞のカギを握る審査員たちには秘密裏に各レコード会社や芸能事務所から“実弾(=現金)”が飛び交っていたと言われている。そして、90年代は芸能界の実力者らがしっかり調整を行い、デキレースと言われるようになっていった経緯がある。