この事態を察してか、ヒルトン側は問題の動画を非公開とし、現在は閲覧できない状態となった。
今回の動画については、アメリカなどの海外でよくある「比較広告」の一種だとも指摘されている。有名な「ペブシコーラvsコカ・コーラ」のバトルをはじめ、ライバル企業を貶めるような演出で自社商品をアピールするCMは海外だと決して珍しくない。だが、日本人にはなじみがなく、自社の優位性を示すために他社を貶すような内容は「不愉快」と感じる人が多いようで、あまり露骨な比較をしている広告は見かけない。これは国民性の違いといえるかもしれない。
しかも、ヒルトンは「日本に進出してきた」という立場であり、本来なら日本人に寄り添って信頼関係を築いていくべきなのに、日本の伝統である旅館を悪く描いてしまうと、「本心では日本文化をバカにしているのでは」と疑われかねないだろう。また、ネット上では「ヒルトンが比較広告をやりたいならリッツ・カールトンやハイアットとかを対象にすべきで、旅館相手じゃ弱いものいじめに見える」という指摘もある。今回の結果を見ても、外資系ならではの発想である「比較広告」を日本で展開するのは難しい部分があるようだ。