ふとした話題で、東野が谷に話を振ったときだった。

「全然関係ないんですけど──」

 谷は、「みんなと違うクズ」という自己演出をするために、あえて沈黙を守っていたことを告白。

「それをすごい、後悔してます」

 足を踏み鳴らして爆笑する岡野。スタジオの空気は、一気に谷のものになった。

 独特の穏やかな語り口で谷が何か言うたびに、拍手笑いが起こるというトランス状態に陥ったスタジオで紹介されたVTRは、「谷は8年間、家がなく、支援者の援助を受けて暮らしている」という、まさしく“新種クズ”な内容。VTR明けも谷の独壇場となり、完全に場を掌握したまま番組は終わっていった。